Research Abstract |
1.板材の冷間(室温)変形挙動とそのモデル化について:種々の金属材板材(高張力鋼板,ステンレス鋼,アルミニウム合金など)について,冷間における様々な材料試験(単軸引張り,二軸引張り,繰返し塑性実験など)を実施し,加工硬化,繰返し硬化,バウシンガー効果,異方性,応力-ひずみ応答の速度依存性などの重要な弾塑性挙動を調査した.全体としてはYoshida-Uemori modelの枠組みを使うことによりこれらの弾塑性挙動を精度良く表すことができることを確認した.今年度はとくに非比例変形のモデル化およびステンレス鋼のTRIP現象のモデルを新たに提案した.また,応力の線形変換と不変量を用いて表現する3次元異方性降伏関数の提案を行った. 2.熱間変形挙動とそのモデル化について:ボロン鋼,アルミニウム合金,チタンおよびその合金,マグネシウム合金(AZ31)について,高温での材料実験を行った.それぞれの材料に特徴的な変形メカニズム(例えばAZ31における双晶・双晶解消など,チタンにおける降伏点現象など)があり,それらのモデル化を行った. 3.結晶塑性モデルについて:Bcc(鉄鋼),fcc(アルミニウム)およびhcp(マグネシウム)について,結晶塑性の枠組み用い,変形挙動に及ぼす集合組織の影響を検討し,hcpの双晶・双晶解消挙動のモデルを構築した. 4.成形限界について:高張力鋼板の非比例変形FLDモデルを提案した.また,伸びフランジ成形限界については,ねじりを含むモードでの破壊限界について検討し,ひずみ勾配が成形限界に強く影響するなどの新たな知見が得られた.
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