2008 Fiscal Year Annual Research Report
トライボコーティング潤滑膜の超低摩擦発現機構の解明と宇宙機器への応用
Project/Area Number |
20360072
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
足立 幸志 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 准教授 (10222621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 秀治 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00312611)
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Keywords | 固体潤滑 / 摩擦制御 / トライボコーティング / 摩擦支援 / 洗浄度 |
Research Abstract |
宇宙機器のための新しい潤滑法として提案している「超高真空中トライボコーティング法(摩擦支援型蒸着膜形成法)により発生する超低摩擦機構の解明と, その低摩擦発生機構にもとついた従来法では実現不可能な低摩擦を確実に与えるトライボコーティングシステムの設計指針を確立することを最終目的とする本研究において, 1年目の本年は, 事前の玉軸受の洗浄度がトライボコーティングの潤滑特性に極めて大きな影響を及ぼすことを実験的に明らかにした. 得られた具体的な結果は以下の通りである. (1) 洗浄度の相違により, 玉軸受に形成されるトライボコーティング膜はトライボコーティング膜が観察されない場合, 塊状の膜が点在する場合, 一様な膜が形成されているが部分な脱落が見られる場合及び内輪上に一様な膜が形成される場合の4種類に分類されることを明らかにした. (2) 4種類のトライボコーティング膜の形態において, 内輪上に50nm程度の厚さを有する一様なトライボコーティング膜が形成されている場合において安定した低摩擦が得られることを示した. (3) 続いてこの内輪上に一様な膜が形成されるための形成条件を実験的に明らかにした. 具体的には60分間の超音波洗浄, その後200℃20分の加熱による試験片の洗浄を行い, スラスト荷重16N以上, 供給膜厚300nm以上の条件でトライボコーティングを行うことで, 低摩擦を発生させるためのトライボコーティング膜が形成されることを明らかにした. (4) 十分な洗浄を行なうことにより, 従来より低摩擦を実現するトライボコーティング膜形成の可能性を実証した.
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Research Products
(3 results)