2008 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン/液体界面の電気化学的親疎水変化を利用したマイクロマシンの開発
Project/Area Number |
20360074
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
神谷 大揮 Tokyo Institute of Technology, 精密工学研究所, 助教 (60282860)
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Keywords | マイクロマシン / ぬれ / シリコン表面 / 電気化学 / 微細加工 |
Research Abstract |
目標とするアクチュエータには立体的な形状が必要とされるため,微小三次元構造の製作技術の検討を行った.“多段階の型転写技術", “粘着材料とマイクロマニピュレータを用いた仮組立技術", “紫外線硬化樹脂を用いたインサートモールディング"を柱として製作技術を確立した.多段階の型転写行程においてソフト型を導入した.柔軟なシリコン樹脂よるソフト型では,低付着性や界面で生じる応力集中をうまく利用することで,離型の際に型や部品の破損を防止した成形が可能となった. さらに,ソフト型で使用するシリコン樹脂は,その表面粗さに依存した粘着性(タック性)を示す.このタック性を利用して部品(シリコン基板小片や上記のソフト型による樹脂部品)の仮組を行った.パーツ配置用のソフト型にマイクロマニピュレータでパーツを貼り付け,配置したパーツごとソフト型の周囲,および内部に樹脂を流し込んで硬化させた.樹脂硬化後,ソフト型を離型することで各部品が埋め込まれたアクチュエータ構造が完成する.本アクチュエータに使用する液滴は酸性やアルカリ性であるため,用いる樹脂材料に耐薬品性に優れ,かつ接着力の強い樹脂を選定した. シリコン以外の構造部位(樹脂製)と液相との間の付着力を軽減させるために,樹脂にふっ素系の添加材を混入した.結果,樹脂表面と水との接触角を添加剤のない場合の75^°から95^°に向上させることができた.さらに,この樹脂表面での前進接触角と後退接触角の差を小さくするために,樹脂/水滴間にイオン液体の薄膜を導入した.結果,本手法により前進接触角と後退接触角の差を1度以下にすることが可能であることを見出した.
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