2008 Fiscal Year Annual Research Report
トライボ要素の表面欠陥検出用広視野レーザ検査装置の基礎研究
Project/Area Number |
20360075
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
新田 勇 Niigata University, 自然科学系, 教授 (30159082)
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Keywords | トライボロジー / 機械要素 / 表面欠陥検査 |
Research Abstract |
申請者らが開発してきた超広視野レーザ顕微鏡は,通常のレーザ顕微鏡に比べて約300倍広い視野を持っている.本研究の目的は,この装置の特長を活かし,従来技術では不可能な広い表面の欠陥検査を短時間で行える高性能検査装置の開発を行うと共に,これによりトライボ要素のメンテナンスフリー化に貢献することである.本研究では,転がり軸受の転動体「ころ」と転走面など円筒面の検査技術開発を目指している.最初に,50mm幅走査用fθレンズを新たに設計した.設計には光学解析ソフトCode Vを用い,結像面上のレーザスポット径について数値シミュレーションを行った.製作した走査用fθレンズは,光学ベンチ上で走査幅中心付近のスポット径を精密に測定した.光学ベンチを用いたのは,構造が簡単なので調整する部分が少なく走査用fθレンズの光学性能が測定しやすいからである.円筒ころ軸受の「ころ」を観察する場合は,「ころ」を取り出して横向きにし,レーザ走査方向と母線方向を一致させるようにする.このようにすることで母線の全幅(50mm)にわたり顕微鏡のピントを合わせることができる.これが,短時間で円筒面の検査をする場合のキーテクノロジーとなる.この状態で,「ころ」を回転させることにより,ころ全面の短時間の画像取得が可能となる.本年度は,鋼製のシャフトを観察して,短時間に円筒面表面全体の高精度画像取得が可能であることを確認した.
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