2009 Fiscal Year Annual Research Report
トライボ要素の表面欠陥検出用広視野レーザ検査装置の基礎研究
Project/Area Number |
20360075
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
新田 勇 Niigata University, 自然科学系, 教授 (30159082)
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Keywords | トライボロジー / 機械要素 / 表面欠陥検査 |
Research Abstract |
申請者らが開発してきた超広視野レーザ顕微鏡は,通常のレーザ顕微鏡に比べて約300倍広い視野を持っている.本研究では,この装置の特長を活かし,従来技術では不可能な広い表面の欠陥検査を短時間で行える高性能検査装置の開発を行うことを研究目的としている.これにより,トライボ要素のメンテナンスフリー化に貢献できればと考えている.昨年度は,転がり軸受の転動体「ころ」と転走面など円筒面の検査技術開発を目指し,50mm幅走査用fθレンズを新たに設計した.製作した走査用fθレンズは,光学ベンチ上で走査幅中心付近のスポット径を精密に測定し,所定の性能を発揮することを確認した.円筒面の観察では,円筒を横向きにし,レーザ走査方向と母線方向を一致させるようにする.このようにすることで母線の全幅(50mm)にわたり顕微鏡のピントを合わせることができる.これが,短時間で円筒面の検査をする場合のキーテクノロジーとなる.昨年度は,鋼製のシャフトを観察しで,短時間に円筒面表面全体の高精度画像取得が可能であることを確認した.本年度は,電動回転ステージの回転精度をスターターゲットを使用して検証した.その結果,本研究で使用している電動回転ステージは,これまで使用してきた平面の電動ステージと同程度の回転精度があることが判明した.本年度の円筒面の観察としては,凹凸の激しい4枚刃エンドミルを使用した.観察を行った結果,オートフォーカス等を用いないでも,一度に凹凸の深い形状の表面の観察が可能であることが分かった.他のトライボ要素としてオイレスベアリングを観察した.オイレスベアリングは真鍮製の円筒面に千鳥状に小さな穴が明けられており,その穴に潤滑作用のある黒鉛を詰め込んだものである.円筒状に展開することで黒鉛を詰め込む穴の位置が等間隔ではなく,偏りを持っていることが確認でき,しかも偏りの距離が簡単に計測できることが確認できた.
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