2008 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロバブルによる陽子線励起圧力波低減メカニズムの解明
Project/Area Number |
20360090
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
二川 正敏 Japan Atomic Energy Agency, J-PARCセンター物質声明科学ディビジョン中性子源セクション, 研究主席 (90354802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 勝一 独立行政法人日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター 物質生命科学ディビジョン中性子源セクション, 研究員 (90391333)
羽賀 勝洋 独立行政法人日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター 物質生命科学ディビジョン中性子源セクション, 研究副主幹 (20354730)
粉川 広行 独立行政法人日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター 物質生命科学ディビジョン中性子源セクション, 研究副主幹 (00354738)
井田 真人 独立行政法人日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター 物質生命科学ディビジョン中性子源セクション, 研究員 (60391356)
直江 崇 独立行政法人日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター 物質生命科学ディビジョン中性子源セクション, 博士研究員 (00469826)
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Keywords | マイクロバブル / キャビテーション / 損傷 / 圧力波 / 水銀 |
Research Abstract |
人工的なガスマイクロバブルを注入することにより、核破砕中性子源の水銀標的内に生じる圧力波を低減するメカニズムを定量的に究明し、MW級核破砕中性子源の実現に対して大きな障壁となるピッティング損傷を低減するための、実用的な防護策を構築することを目的とした。本年度は本研究の初年度であり、実験の側面では、マイクロバブル実験を行うための各種装置の設計・製作、計測機器の整備を中心として行った。4つの研究項目に対する当該年度の成果を示す。 1.マイクロバブル生成技術開発 筑波大学では、水-空気系における水流動下における気泡実験装置を整備した。液体流動、ガスノズル条件と生成気泡に関する定量的な実験を継続して行い、気泡生成のメカニズムにおける支配要因を明らかにする。原子力機構では、マイクロバブル生成装置を整備し、流動条件下における水銀中マイクロバブル生成実験を行い、圧力波低減効果が期待できる大きさのマイクロバブル生成法に対する指針を得た。次年度は実規模水銀ループを用いた気泡生成実験により、気泡径分布、気泡流動を詳細に調べ気泡発生装置の実機適用性を検討する。 2.マイクロバブル群中における圧力波伝搬 水中放電を利用した圧力波負荷実験を気泡流中で行うための実験装置を整備すると共に、基礎実験を開始した。次年度は、不均一分布を持った気泡注入での圧力波減衰効果について、水実験及び数値解析により検証する。 3.マイクロバブル相互作用 理論解析および数値シミュレーションにより、衝撃圧下でのマイクロバブル及びキャビテーション気泡の振る舞いを明らかにした。単一気泡モデルに加え、気泡-壁間および気泡-気泡間相互作用を考慮した数理モデルを用い、マイクロバブルの注入によって負圧の特性に表れる変化を明らかにした。次年度は、気泡間の相互作用までを考慮した数値解析により、圧力波発生メカニズムの差異が気泡のダイナミクスや攻撃性に与える効果を評価する。 4.マイクロバブルと固液界面損傷 マイクロバブル生成装置に用いるガスノズルの耐久性を評価する疲労試験装置を整備した。次年度は、ガスノズルの疲労データを取得し、耐久性及び水銀との共存性について検討する。
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