2008 Fiscal Year Annual Research Report
体外循環装置における血液損傷低減を目指した血液空気混合の影響に関する研究
Project/Area Number |
20360091
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
築谷 朋典 National Cardiovascular Center Research Institute, 人工臓器部, 室長 (00311449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻本 良信 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (50112024)
堀口 祐憲 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 准教授 (60314837)
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Keywords | 遠心ポンプ / キャビテーション / 血液 |
Research Abstract |
本研究は,体外循環装置の実用面での問題である気泡混入,またそれに誘起される血球成分の破壊を研究対象とし,キャビテーションをはじめとするポンプ,カニューレ等に発生しうる血液と空気の混合を扱う. 初年度である平成20年度は,筆者らが開発した二段インペラを用いた心肺補助用遠心ポンプを測定対象として,キャビテーション発生試験回路を製作し,血液凝固防止ならびに血球破壊の低減を目的としたポンプ形状についてキャビテーション発生実験を実施し,発生条件を明らかにした.設計流量時にはキャビテーション数σ=0.04あたりから発生しており,羽根入口で羽根に沿って流入していることが示唆された.また,血液は不透明流体であり目視によるキャビテーションの観測は不可能であるため,ハイドロホンを用いた騒音の計測も行った.キャビテーション初生時のわずかな差をとらえることは困難であるがキャビテーションの有無により明確な音圧レベルの差を検出することができ,血液を用いた実験にも応用可能であることが示唆ざれた.血液を用いた場合,水よりも若干ながらキャビテーションが発生しやすいことを指摘する研究もあり,装置の特性を得るために血液を用いてハイドロホンによるキャビテーション発生の判定を行う必要があるものと考えられる.実験と並行して数値計算によるキャビテーション予測を行うことも進めており,現在数値格子等計算条件の妥当性を検討中である.
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