2009 Fiscal Year Annual Research Report
体外循環装置における血液損傷低減を目指した血液空気混合の影響に関する研究
Project/Area Number |
20360091
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
築谷 朋典 National Cardiovascular Center Research Institute, 人工臓器部, 室長 (00311449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻本 良信 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (50112024)
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Keywords | 心肺補助装置 / キャビテーション / 血液 / ポンプ |
Research Abstract |
本研究では、血液用ポンプや人工肺の使用に伴う血液と空気の接触による血液成分の損傷に関する問題を解決するために、血液ポンプにおけるキャビテーション発生条件の解明と抑制するポンプ形状について探ることを目的としている。 本年度は、従来より心肺補助装置として開発を行ってきている二段インペラを有する遠心型血液ポンプについて、そのキャビテーション性能を評価するために、内圧調整が可能な閉鎖回路にポンプを接続することによりキャビテーションの発生条件を確認するための実験を実施した。また、同回路によって現在市販されている体外循環用ポンプ(Terumo社Capiox, Maquet社Rotaflow, Nikkiso社HPM-15)についても比較のための実験を行った。また、キャビテーション流を想定したポンプ全体の流れ解析を数値的手法によって実施し、実験結果との比較によりその精度等を検討した。キャビテーション実験の結果からは、開発した二段インペラを有する遠心ポンプはキャビテーション性能において市販されている血液ポンプとほぼ同等の性能を有していることが明らかとなった。これら市販ポンプを越える性能を実現するための設計指針についてはさらなる検討を必要とすることが示唆された。キャビテーションが発達すると第一インペラの流路入り口付近がほぼ気泡で閉塞され、キャビテーション数が下がるに従ってインペラ全体が気泡でほぼ占められ、さらには洗い流しのために広く設けられているインペラとケーシング間も占められる過程が明らかとなった。また、ポンプ全体モデルに対するキャビテーション発生を予測のための数値計算モデルでは、適切なモデルを採用した結果、キャビテーション試験で得られたこれらの実験結果をほぼ再現することが可能であり、開発したポンプに対す適切なキャビテーションモデルの構築にも成功したと考えている。
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Research Products
(3 results)