2009 Fiscal Year Annual Research Report
高温高圧環境における一酸化炭素を主成分とする予混合乱流燃焼機構の解明
Project/Area Number |
20360092
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小林 秀昭 Tohoku University, 流体科学研究所, 教授 (30170343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大上 泰寛 東北大学, 流体科学研究所, 講師 (00375122)
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Keywords | 乱流燃焼 / 高圧燃焼 / 予混合燃焼 / 一酸化炭素 / 石炭改質ガス / 乱流燃焼速度 / 固有不安定性 / 発光スペクトクル |
Research Abstract |
本研究は,燃焼学的に未だ知られていない高温高圧環境における一酸化炭素(CO)を主成分とする予混合乱流燃焼機構を明らかにし,極限環境乱流燃焼の学理構築を図ると共に,環境・エネルギー問題において重要性が益々高まっている高温高圧下の燃料改質ガス(シンガス)生産および燃焼システムの設計と制御に対する燃焼学的根拠に基づく指針を提示することを目的とする. 本年度は,常温における当量比1.0から0.7までのCO/H_2/CO_2/airおよび比較対象としてのCH_4/air乱流予混合火炎に対する高圧燃焼実験を行った.0.5MPaおよび1.0MPの高圧下でOH-PLIF画像を撮影し,CO/H_2/CO_2/air火炎ではCH_4/air火炎に比較して,乱流火炎領域の構造が極めて微細化することが明らかになった.更に,乱れ強さに対する乱流燃焼速度の変化をOH-PLIF計測と画像解析から求めた結果,従来の炭化水素/空気火炎で見られた乱流燃焼速度におけるbending傾向が全く見られないという新しい発見があった.輻射計測として,赤外領域全体に感度を有する輻射センサーを高圧容器内に設置しCH_4/air乱流予混合と比較した.その結果,CO/H_2/CO_2/air火炎では同じ当量比のCH_4/air火炎よりも総輻射量が大きいことがわかった.これらから,OH-PLIF画像に見られた乱流火炎領域構造の微細化は,CO/H_2/CO_2/air予混合気の実効ルイス数の減少に加え,輻射損失の増大が火炎の固有不安定性に影響を及ぼすという過去の解析的研究結果と一致し,CO/H_2/CO_2/air火炎における輻射効果が重要な役割を果たしていることが明らかとなった.
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Research Products
(5 results)