2010 Fiscal Year Annual Research Report
電気融合による生体内への耐凍結・乾燥物質の高速高効率導入バイオチップの開発
Project/Area Number |
20360094
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
白樫 了 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (80292754)
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Keywords | 電気融合 / 膜電位 / 電気泳動 / 電場解析 |
Research Abstract |
最終年度では,トレハロースを内包したリポソームとJurkat細胞をワイヤー電極を用いて電気融合をおこない,その間の様子を顕微鏡観察して,あわせて融合率を測定した,また,高電圧パルス電場によるリポソームとJurkat細胞の膜電位分布や電場分布を計算できる数値シミュレーションコードを作成した.計算は,前年度に測定した両者の電気物性値を用い,顕微鏡写真より測定した配向したリポソームとJurkat細胞の形状を計算対象の形状を対象としておこなった.さらに,融合したリポソームとJurkat細胞の浸透圧を変化させて膜の透過特性の健全性を確認した. 以上の実験,計算の結果,任意のパルス電場強度とパルス印加時間に対する電場・膜電位の予測ができることがわかり,電気融合に必要な膜電位の条件を見いだすことができた.一連の研究を通じて,融合するリポソームとJurkat細胞の電気物性の測定方法,融合条件の計算手法を開発し,最適な高電圧パルス電場の条件を電極形状やリポソームと細胞の大きさにあわせて予測することが可能になった.但し,当初の目的であったリポソームと細胞を1対1で配向させて電気融合を行うデバイスについては,同操作な実現するデバイスは作製できたものの,デバイスが複雑な形状を有することから今回行った加工方法では,電極部の機械的強度が不十分で導通も不安定であった為,複数回の実験に耐えうるものには至らなかった.今後は加工方法を再検討すると同時に,より単純な形状のデバイスを考案することが重要であると思われる.
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[Presentation] 細胞-リボソームの電気融合における電場解析2010
Author(s)
白樫了, Randolph Reuss, Alexander Schulz, Vladimir L.Sukhorukov, Ulrich Zimmermann
Organizer
熱工学コンファレンス
Place of Presentation
長岡技術科学大学
Year and Date
2010-10-30