2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノワイヤ材料の熱物性と原子レベル構造に関する実験的研究
Project/Area Number |
20360099
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高橋 厚史 Kyushu University, 工学研究院, 准教授 (10243924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 貴史 九州大学, 工学研究院, 助教 (80363381)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 熱伝導率 / その場計測 / ナノセンサ |
Research Abstract |
カーボンナノチューブ(CNT)に代表されるナノワイヤ系材料は機械的電気的性質と同様,熱物性に関しても特異な性質を示す可能性が高く,熱制御材料や熱電変換素子などへの新しい応用が期待されている.しかしながら,この熱物性は結晶構造に強く依存し,同じ材料であってもワイヤ1本1本で異なる値を示す可能性が高いために依然として信頼性の高い評価が難しいのが現状である.そこで,ナノワイヤ1本を取り出してその原子レベルの構造観察と熱伝導率計測を正確に実施するとともに,さらに,その1本のナノワイヤの結晶構造を変化させて熱伝導率の変化を測定する実験を行うことで原子構造と熱伝導の根本的な理解が進むものと考えられる.そこで本年度はこのような「その場」計測を可能にする熱伝導率計測用ナノセンサの開発を行った.具体的には,センサ用基板のエッジから2ミクロン以内に熱線センサとして利用可能な白金ナノフィルムを基板から浮いた状態で製作した.これにナノカーボンテクノロジー社製のCNTを設置することに成功した.このCNTを別の基板に接触させて熱の移動の様子を観察し再現性を確認できた.今後はこのセンサを用いて引張応力をかけた場合の熱伝導率の変化を調べる予定であるが,特に影響が大きく現れることが期待できるカップスタック型カーボンナノファイバーをまずそのままの状態で熱物性を計測したところバリスティックな熱伝導が計測された.これについてさらに次年度以降探求を続ける予定である.
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