2009 Fiscal Year Annual Research Report
二波長エバネッセント波照射細胞電位・屈折率センシングによる細胞膜イオン輸送制御
Project/Area Number |
20360102
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐藤 洋平 Keio University, 理工学部, 准教授 (00344127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 俊之 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (00255598)
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Keywords | マイクロ流体デバイス / 細胞膜 / 細胞表面電位 / 細胞内屈折率 / エバネッセント波 / 二波長 / ナノLIF / アイクロPIV |
Research Abstract |
マイクロ熱流体デバイスにを用いた液体(培養液)中の細胞膜・液体間イオン輸送制御技術の確立を目的として,二波長エバネッセント波照射による細胞内屈折率および細胞表面電位の非侵襲センシング技術の開発を行う.一般的に,癌細胞は正常細胞よりも屈折率が大きく,一方,マラリアに感染した細胞の屈折率は低くなることが知られている.本年度は,PDMSを用いて細胞を模擬し,スクロースを溶解したイオン交換水との屈折率差をエバネッセント波照射によるPDMS・溶液界面から発生する散乱光強度を撮像することにより,屈折率非侵襲センシング技術の確立を行った.エバネッセント波照射領域内に細胞を配置した場合,細胞・溶液界面において散乱光が発生する.散乱光の強度は,両物質間の屈折率差に依存するため,散乱光強度による屈折率差計測の可能性が考えられる.本研究では,屈折率差計測手法の確立に向け,屈折率差を有する二物質界面を作製し,散乱光強度の計測を行った.対象とする場は石英ガラス及びPDMS製マイクロ流路内におけるPDMS・溶液界面であり,流路底面からエバネッセント波を照射して散乱光を発生させた.流路内に満たす実験溶液の屈折率を調整することにより,PDMS(屈折率1.410)との所望の屈折率差を実現し,PDMS・溶液間の屈折率差と散乱光強度との定量的関係を把握した.PDMS・溶液間の屈折率差増大に伴い,界面における散乱光強度が二次関数的に増加することが確認された.散乱光強度に影響する因子として,流路壁面の性状,エバネッセント波の強度分布などが挙げられる.0.04以上の屈折率差を有する細胞・水界面の屈折率差計測による細胞状態判別の可能性が示された.
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[Journal Article] A technique for monitoring multiple signals with a combination of prism-based total internal reflection fluorescence microscopy2009
Author(s)
Eisuke Adachi, Yutaka Kazoe, Yohei Sato, Yuko Suzuki, Tetsumei Urano, Takehiko Ueyama, Naoaki Saito, Viacheslav O.Nikolaev, Martin J.Lohse, Makoto Tominaga, Hideo Mogami
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Journal Title
Pflugers Archiv-European Journal of Physiology 459
Pages: 227-234
Peer Reviewed
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