2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20360103
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
中別府 修 明治大学, 理工学部, 教授 (50227873)
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Keywords | MEMS / ナノカロリメトリ / 熱分析 / 共振質量計測 / マイクロマニピュレーション / SEM |
Research Abstract |
本研究は,MEMS技術で作成される微小カロリメータをSEMやEDXS分析と複合化し,微小試料に対する超高速,高感度な熱・質量分析を行う格段に分析能力の優れた複合ナノ熱分析システムの開発を目標としている.そのため,微小カロリメータによる熱分析技術に加え,極微量質量計測技術,微小試料のマニピュレーション技術の開発とSEM内で行う複合分析法の研究開発を実施している. 本年度は,SEM内で微小カロリメータを利用したナノ熱分析とSEM観察の複合化と針状プローブ先端の濡れを制御して微小試料をマニピュレートする技術の研究を行った. SEM内熱分析に関しては,微量なインジウムと金を試料として,熱分析中に融解・混合して合金化する反応を対象として,相変化の潜熱,反応熱の発生と形状変化を同時に観察することに成功した.従来の熱分析波形から現象を推定することと比較し,形状や動きがミクロの視点でとらえられることは,現象理解や分析力を効果的に高めることが示された. 微小試料のマニピュレーションに関しては,先鋭化したガラスパイプに微小ヒータを巻き付け,内部に水を入れたメニスカスチップを開発し,先端部の濡れを熱的に変化させることで,基板上の微小物体(ガラスビーズ)をチップに付着させて取り上げ,任意の場所へ設置する作業が高い確率で実施できることが示された.微小球と対象として付着力計測では,先端部の濡れ状態で約15マイクロニュートンの付着力が乾燥状態では2マイクロニュートン以下に低減することが示され,微小物体のマニピュレーションに十分使用できることが示された.
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