2009 Fiscal Year Annual Research Report
極限環境下における電気刺激Hybrid運動法の整備に関する研究
Project/Area Number |
20360118
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
田川 善彦 Kyushu Institute of Technology, 工学研究院, 教授 (70122835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志波 直人 久留米大学, 医学部, 教授 (20187389)
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Keywords | 定電流刺激 / 表面電気刺激 / 高速無線通信 / 近赤外分光法 / 脳賦活 / 筋音 / 筋疲労 / 脊髄損傷 |
Research Abstract |
平成21年度では下記の成果を得た。 1. 表面電気刺激装置システムの改善を行った: (1) 電流制限の設定を可変とし、定電圧あるいは定電流の何れかを選択できるシステムとした。 (2) 関節運動の定量的感知のためのエンコーダを開発した。 (3) 筋損傷の前兆を筋疲労と捉え、それを筋音で評価した。疲労とともにその振幅が減少することを確認した。 (4) 無線高速化への課題を整理し、通信プロトコルの変更を行った。 2. 電気刺激足こぎエルゴメータにHybrid運動の要素(拮抗筋の同時刺激)を取り入れた。また下肢電気刺激による脳賦活状況の近赤外分光法による検証を行い、その有効性を認める被験者もいたが、個体差が大きく、同一人でも計測日の違いによって脳賦活に差異がみられる等、その手法による評価の問題点を整理する必要があることが示唆された。 3. 2名のせき損患者(C6レベル)の手部の機能改善に治療的電気刺激を長期間(週2回程度で約7カ月継続)行い、手指の可動領域の拡大や筋量の増大(1名)を確認した。また刺激期間が長くなるにつれ刺激強度が低下し、刺激を行う筋の領域がより明瞭に分割された。しかし随意運動の改善には至らなかった。このため在宅で使用可能な装具の試作と200chの刺激装置の基本設計を行い、次年度の柔軟装具への先行開発となった。 4. 宇宙での船外活動での手指疲労対策や機能的に優れた道具の開発の基礎研究となる手指のタスク別疲労特性の実験を行い、タスクの違いにより各指に疲労の差異を認めた。信頼性向上には計測条件(筋電の周波数帯域、筋電センサ、他の疲労評価法の検討)と被験者数増の必要性が示唆された。 5. Hybrid運動法における電気刺激(生体内電流)がトレーニングの後半以降、徐々に減弱する傾向が見られた。今後、刺激部位の変更や発生する筋収縮力の精密な計測の必要性が示唆された。
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