2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20360119
|
Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
GODLER Ivan 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (60304755)
|
Keywords | 制御工学 / ロボット / 受動動的歩行 / 戻りワイヤ駆動 |
Research Abstract |
本研究の目的は振りワイヤを使う新しい駆動方式を用いて、複雑な切替え機構を必要としない動的なロボットの歩行を実現することである。平成22年度には歩行中の2足歩行ロボットのロール運動に着目し、ロボットの安定性を検証した。ロール運動中には左右転倒を防ぐために機械エネルギーを基準にした支持脚の切り替えアルゴリズムを導入した。これによって、足踏み動作を継続的に実現できた。また、ロボットの前後の転倒をコントロールする制御器を開発した。2足歩行ロボットは原理的に倒立振子であり、非線形的なシステムであるため、非線形的な制御器を導入する必要がある。制御器のロバスト性と歩行ロボットの特性に自動的に適応するために、制御器の構造とパラメータは遺伝的アルゴリズムを用いて決定した。100世代の繰り返しで制御器のパラメータが収束し、転倒が発生しないロボットの制御器を実現した。ロール運動で転倒が発生しないために機械エネルギーを基準にした支持脚の切り替えを行うと同時に、前後の転倒を防ぐためには歩幅を非線形的な制御器でコントロールするアルゴリズムを導いた。研究の結果は継続したロボットの足踏み動作のシミュレーションで確認できた。更に、線形倒立振子のモデルを対象にロボットの進行方向の加減速のメカニズムを解明した。平成22年度には小型2足歩行ロボットの能動動的な歩行の実験を行い、膝関節と股関節の駆動に更に足首関節の駆動を加えた。更に、支持脚を検出するためには足裏に静電気容量式の近接センサを装着した。試作機の動作は十分に確認できたが、進行方向の速度を検出するためのジャイロセンサや加速度センサが装着されていないため、自立的な歩行は不可能だった。ジャイロセンサや加速度センサを装着可能な高さ80cmの新規試作機を同年度に完成させた。上半身を装着することが可能であるために、本研究で得た知見を実験的に検証できるようになった。
|