2008 Fiscal Year Annual Research Report
気液二相流プラズマによる水中有機フッ素化合物の完全分解
Project/Area Number |
20360123
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
安岡 康一 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 教授 (00272675)
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Keywords | 有機フッ素化合物 / 気液二相流 / 誘電体バリア放電 / 水中プラズマ / PFOA |
Research Abstract |
本研究は「気液二相流プラズマによる水中有機フッ素化合物の完全分解」と題し,環境水中の微量有機フッ素化合物と工業利用の高濃度有機フッ素化合物を,ともに水溶液中に発生させた気泡内プラズマにより完全分解しその機構を解明することを目的としている。初年度は以下の成果を得た。 (1) ガラス円筒間に酸素ガスを通過させる気液二相流中の気泡内でパルスバリア放電を形成するリアクタ構造を提案し,実際に放電特性,気泡特性を観測した。酸素バリア放電からの微弱発光は高感度冷却ICCDカメラにより捉え,電流持続期間200ns中に,水中気泡内に分散したマイクロバリア放電が,繰り返し安定形成されていることを見出した。 (2) 代表的有機フッ素化合物であるパーフルオロオクタン酸(PFOA)水溶液(濃度200mg/L,処理量20 mL)により分解研究を進め,高速液体クロマトグラフにより,溶液中のフッ素イオン濃度が時間とともにほぼ線形に増加していくことを見出した。PFOAの分解過程で生ずる二次生成物の分析は外部検査機関に委託し,その結果を用いてフッ素原子数の収支計算からPFOA分解機構の解明を進めた。 (3) パルス放電で消費される放電エネルギーの積算計算値と処理液中のフッ素イオン生成量とから,PFOA分解速度と分解エネルギー効率とを評価した結果,従来の化学方式と同等の分解効率で,はるかに高速度の分解処理が可能であることがわかった。
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Research Products
(4 results)