2008 Fiscal Year Annual Research Report
風力発電設備への落雷の前兆現象の解明とそれを利用した防雷対策
Project/Area Number |
20360125
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
高木 伸之 Gifu University, 工学部, 教授 (80179415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 道洪 岐阜大学, 工学部, 准教授 (20273120)
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Keywords | 風力発電設備 / 防雷対策 / 前兆現象 / 落雷開始地上電界 / 上向き雷 |
Research Abstract |
本研究グループは平成17年度より風力発電設備の耐雷対策に必要な雷放電開始条件を研究対象とした雷観測を行い、その結果、風力発電設備での落雷の場合、数秒というオーダーの『前兆現象』が存在することを明らかにした。この数秒という時間があれば被雷対象である風車本体を風力発電の変電設備や電力系統から完全にかつ安価に切り離す事が可能となり、被害範囲を大幅に縮小することが可能となる。そこで本研究の目的の内2008年度は、 1.落雷数秒前に風車から微少電流が流れる前兆現象が確実に起きているかどうかの検証を電流測定装置以外の他の観測機器も用いて検証を行う。 2.風力発電設備で落雷が発生する場合の地上電界マップを多地点での電界計測により描き、落雷が発生可能な最小電界値とその領域および何秒前まで予測可能かを検証する。 について現地での観測(11/27〜1/27)による検証を行った。 その結果、2008年度は合計11例(風車3例、避雷鉄塔8例)の風力発電設備への雷撃電流の計測に成功した。その内数秒前から電流が流れ出す現象が8例の落雷で見られた。その発生割合は73%であり、それ以前の3年間の33%より異常に高い割合となった。さらに、これまでは風車への落雷のみにおいて前兆電流が見られていたが、今年度は避雷鉄塔への落雷においても前兆電流が確認できた。また、多地点電界観測により、雷雲による地上電界が負極性になっているときに、近傍での雲放電等により-20kv/m以上の電界が重畳されると約90%の確率で風力発電設備で落雷が誘発されることが分かった。
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Research Products
(1 results)