2010 Fiscal Year Annual Research Report
風力発電設備への落雷の前兆現象の解明とそれを利用した防雷対策
Project/Area Number |
20360125
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
高木 伸之 岐阜大学, 工学部, 教授 (80179415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 道洪 岐阜大学, 工学部, 教授 (20273120)
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Keywords | 風力発電設備 / 防雷対策 / 前兆現象 / 落雷開始地上電界 / 上向き雷 |
Research Abstract |
本研究グループは平成17年度より風力発電設備の耐雷対策に必要な雷放電開始条件を研究対象とした雷観測を行い、その結果、風力発電設備での落雷の場合、数秒というオーダーの『前兆現象』が存在することを明らかにした。この数秒という時間があれば被雷対象である風車本体を風力発電の変電設備や電力系統から完全にかつ安価に切り離す事が可能となり、被害範囲を大幅に縮小することが可能となる。そこで本研究の目的の内2010年度は特に、 (III) 風力発電設備で落雷が発生する場合の地上電界マップを多地点での電界計測により描き、落雷が発生可能な最小電界値とその領域および何秒前まで予測可能かを検証する。 (IV) 地上電界から落雷を予測するシステムを構築する。 (V) 風力発電設備先端からの微小発光や微弱電磁波放射等の他の前兆現象がないか測定を行う。 について検討を行った。現地では12月1日から1月31日までの2ヶ月間冬季雷観測を行った。観測では風力発電設備への落雷13例の落雷電流の記録に成功し、さらに落雷の前兆現象を追加するととができた。(III)については、風力発電設備の約3km四方内において正極性落雷発生前に地上電界が正領域となる面積が増加する例を確認した。ただし、空間電荷によって地上電界それほど時間と共に変化しない例も確認され、今後の課題として残された。(IV)については、すでに前年度に構築した前兆電流検知システムを今年度のデータに適用したところ落雷の数秒前に検知することに成功した。(V)については、風車からの上向き落雷進展直前に数メートルほど進展して停止する放電現象を確認しており、光学観測においても落雷の予知することが可能である。
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Research Products
(8 results)