2008 Fiscal Year Annual Research Report
トリレンマ克服を可能とする分散型エネルギーシステム用次世代高安全二次電池の創製
Project/Area Number |
20360126
|
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
櫻井 庸司 Toyohashi University of Technology, 工学部, 教授 (80452217)
|
Keywords | 二次電池 / リチウムイオン電池 |
Research Abstract |
LiFePO_4系他元素置換材料の合成を行うにあたりまず、元素置換の効果を明確化するために、基準となるピュアなLiFePO_4を合成した。合成方法としては、合成過程で炭素が形成される可能性のある炭素を含む従来の原材料(例えばシュウ酸鉄[Fe(COO)_2・2H_2O]や酢酸鉄[Fe(OOCH_3)_2])は使用せず、リン酸リチウム(Li_3PO_4)およびリン酸第1鉄(Fe_3(PO_4)_2・8H_2O)を原料として用いて炭素フリーなLiFePO_4を不活性ガス中で焼成合成した。ピュアなLiFePO_4であることは、X線回折による結晶構造解析により確認し、これをコントロール品とした。得られた粉末は、電子顕微鏡により、平均粒径2-3μm程度の一次粒子が凝集した二次粒子径10μm程度の凝集体であることがわかった。 また、同上の原料を用いつつLiFePO_4のLiの一部をAl等の多価カチオンで各々1%置換したLiFePO_4系他元素置換材料を合成し、上記ピュアLiFePO_4とともに交流2端子法で電子伝導度を測定したが、今回行った炭素フリーLiFePO_4においては、置換による導電性の向上は認められなかった。 更に、LiFePO_4のアニオン置換材料合成に取り組み、ピュアLiFePO_4パウダーの管状炉内熱処理で窒素置換LiFePO_4を合成した。この際、LiFePO_4への窒素の導入置換を確実なものとするために、非常に活性な発生基の窒素を加熱時に放出するアンモニアガス流通下で合成を行った。得られたサンプルのX線回折ピークは、ピュアLiFePO_4と比較して全体的に若干低角度側にシフトしており、窒素置換により格子定数が変化していることが示唆された。
|