2009 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導機器冷媒としての液体水素冷却特性に関する研究
Project/Area Number |
20360127
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
白井 康之 Kyoto University, エネルギー科学研究科, 教授 (60179033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩津 正博 京都大学, エネルギー科学研究科, 名誉教授 (20027139)
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Keywords | 液体水素 / 超伝導 / 冷却 / 熱伝達 |
Research Abstract |
初年度は、既存の液体窒素用強制対流熱伝達実験装置を用いて、液体水素と同様に超伝導導体の冷媒として重要な液体窒素について、超臨界圧までのサブクール液体窒素強制対流熱伝達実験を実施した。この実験で得た知見をもとに液体水素強制対流熱伝達特性のための実験手法を策定し、超臨界圧までの実験を可能で、安全性を考慮して遠隔バルブ操作・計測を実現した液体水素用強制対流熱伝達実験装置を設計・製作した。 昨年度は、製作した液体水素用強制対流熱伝達実験装置を用い、液体水素浸漬冷却実験として、液体水素中のマンガニン製平板発熱体からの定常・及び過渡熱伝達を、サブクール度、圧力、発熱率上昇速度などをパラメータとし、試験ヒータを指数関数状に緩やかに加熱することで対流から核沸騰、膜沸騰にいたる熱伝達特性を取得し、臨界熱流束の圧力及びサブクール温度依存性を評価するデーダを得た。核沸騰状態の熱伝達は圧力が大きいほど優れている。飽和沸騰臨界熱流束はKutateladzeの式でおおよそ記述されるが、実験結果は低圧力域で同式より高く、高圧域では低くなる。高圧域では、熱流束の増大で起こる水力的不安定性による臨界状態になる前に、発熱体表面が臨界温度に到達して気泡発生が一気に増加するのが一因と考えられる。強制対流試験では、LH2液送ラインの入口先端部にFRPブロックで断熱した試験円管流路を設置し、加圧圧送して液体水素を強制的に流した。非沸騰強制対流熱伝達は、Dittus Boelter式でほぼ記述され、膜沸騰直接遷移は観察されない。臨界熱流束は、流速が大きいほど、サブクール度が大きいほど大きいことが確認された。
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Research Products
(12 results)