2008 Fiscal Year Annual Research Report
界面誘起非補償反強磁性スピンの解明・制御による高性能交換磁気異方性材料の開発
Project/Area Number |
20360133
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
角田 匡清 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 准教授 (80250702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 哲也 東北大学, (財)高輝度光科学研究センター・利用研究推進部門軟X線赤外チーム, チームリーダー主幹研究員 (70311355)
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Keywords | 交換磁気異方性 / 磁気円二色性 / 磁気異方性 / ハードデイスク / MRAM / スピンエレクトロニクス |
Research Abstract |
X線磁気円二色性(XMCD)分光を駆使した界面誘起非補償反強碓性スピンの計測ならびにスピン構造シミュレーションを通じて、通常の磁気計測法では窺い知ることのできない反強磁性スピンの磁化過程ならびに交換結合膜中のスピン系の磁場反転に対する非対称性の検出を行った。本研究の目的は、以上の実験・シミュレーションにより、非補償反強磁性スピンが強磁性/反強磁性積層膜で観測される交換磁気異方性に及ぼす役割とその微視的発現機構を解明すること、また、同発現機構に基づいた薄膜材料・界面微細構造設計を行い、極薄で大きな交換磁気異方性を導出し得る積層膜材料を開発することである。 Mn-Ir/Co_<100-x>Fe_x積層膜(x=0〜100at.%)を作製し、その交換磁気異方性の大きさ、ならびに界面誘起非補償Mnスピンの計測を行った。Mn-L吸収端におけるXMCD信号の符号ならびに大きさが、強磁性Co-Fe層の組成によって変化し、純Co層の場合に非補償Mnスピンの向きは強磁性層の磁気モーメントと平行であるのに対して、純Fe層を積層した場合には反平行に配列していることを見出した。また、Mn-L_3吸収端のXMCD信号をピーク分離することによって、それぞれ隣接するCoないしFe原子を起源とする二つの成分が存在することを明らかとした。両成分の自乗和平均の大きさと、一方向磁気異方性定数の大きさは、概ね線形に対応し、界面誘起非補償反強磁性スピンが交換磁気異方性の発現に強く関与していることを実験により明らかとした。
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