2011 Fiscal Year Annual Research Report
SiOナノ粉末の真空蒸着による高品位酸化膜の低温作製とフレキシブル基板上のIC
Project/Area Number |
20360137
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
野崎 眞次 電気通信大学, 情報理工学研究科, 教授 (20237837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 洋 電気通信大学, 情報理工学研究科, 助教 (00134867)
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Keywords | 低温作製 / quasi-static C-V / 界面準位密度 / シリコン酸化膜 / 紫外光 / 光酸化 / MOS / フレキシブル基板 |
Research Abstract |
本研究では、SiOナノ粉末の真空蒸着により低温で高品位のシリコン酸化膜をシリコン上に作製するのが目的である。前年度は、RCA洗浄後のSi基板上に3nmの薄い酸化膜を堆積し、真空紫外光を酸素雰囲気中で照射し、さらに30nm堆積し、酸素雰囲気中でメタルハライド光源を用いて紫外光照射による二段階堆積法によって得られたSiO_x膜の光酸化を行ったところ、quasi-static C-Vで測定した界面準位密度6.2x10^<11>cm^<-2>eV^<-1>と低い値を達成した。しかし、絶縁性の低下やフラットバンドシフト(ΔV_<FB>)が大きい(-2.5V)という結果が得られた。今年度は、この結果がVUV照射の影響によるかどうか熱酸化膜にVUVを照射し、その影響をSiO_x堆積膜の場合と比較した。その結果、VUVは堆積膜には吸収されやすく、SiとOの結合が切れ、発生した正孔が捕獲されることがわかった。VUVはエネルギーが高すぎるので、二段階堆積法ではなく、堆積後に水蒸気を有効に流しながらメタルハライド光源を用いた光酸化を200℃で行った。その結果、ヒステリシスがなくΔV_<FB>の小さいSiO_x膜が得られ、電極形成後のフォーミングガス雰囲気中でのアニールを200℃で行うことにより、4.4×10^<11>cm^<-2>eV^<-1>と低い界面密度が得られた。これは、MOSFETのゲート酸化膜としては十分である。当初の計画では平成22年度より企業の協力によりプラスチック基板上のSi薄膜を提供してもらい、最終年度にMOSFETの試作をする予定であったが、企業が低温酸化膜に関する研究開発を平成20年度に中止したため、それができなくなってしまった。そのため、本研究では、単結晶シリコン基板上で熱酸化膜同等の高品位酸化膜の低温作製を達成することを当面の目標とし、それが最終年度に達成された。
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Research Products
(5 results)