2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20360139
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
近藤 正彦 Osaka University, 工学研究科, 教授 (90403170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若原 昭浩 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (00230912)
江村 修一 大阪大学, 産業技術研究所, 助教 (90127192)
石川 史太郎 大阪大学, 工学研究科, 助教 (60456994)
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Keywords | III-N-V化合物半導体 / 熱処理 / X線吸収微細構 / 原子配列 / GaInNA s / エピタキシャルリフトオフ / InNP / 原子緩和 |
Research Abstract |
III-N-V化合物半導体の持つ結晶格子定数と光物性の大きな可変性は、低価格・高性能な光ファイバー通信次世代半導体デバイスの基盤材料としての大きな可能性を内在している。熱処理(アニール)はIII-N-V化合物半導体の光学特性改善に欠かせない技術として定着しているが、未だにその結晶に与える影響については未解明な部分が多い。本研究は、従来に報告の無い、Ga-K端近傍のX線吸収微細構造(XAFS)スペクトルを測定することで、アニールが原子配列に与える影響について考察することを軸に展開する。また、そのための測定手法を確立する。通常GaInNA sに代表されるIII-N-V半導体はGaAs基板上に成長される。そのため、Ga元素のXAFS測定では、試料層からの情報がGaAs基板の情報に埋もれてしまい、観測できない。そこで本研究では、エピタキシャルリフトオフ手法を用いて特殊試料を準備することで、GaAs基板の情報を含まない、GaInNAs Ga-K端のXAFS測定を試みた。 まず特殊試料の有効性を確認するため、基礎材料GaAsの試料を作製した。同試料に対してXAFS測定を行った結果、非常に正確に理論的に予測されるGaAsボンド結合長と正確に一致する結合長が求められ、本研究で用いる試料の有効性が確認できた。従って、今年度は基盤技術の確立に成功し、報告した。また、赤外吸収分光測定より、InNP結晶中の、Nに起因したフォノン振動の観測に成功した。 来年度は、上記の基礎知見、試料作製手法を用い、組成依存性などの詳細な検討を行うことで、最終目標であるN周辺の原子緩和について新しい知見が得られると考えられる。
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Research Products
(5 results)