2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ微粒子支援レーザ堆積法によるpn接合を持つ酸化亜鉛ナノワイヤの創製と応用
Project/Area Number |
20360142
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岡田 龍雄 Kyushu University, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (90127994)
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Keywords | ZnO / ナノワイヤ / pn接合 / p型 / 電界放出 |
Research Abstract |
本研究の目的は,申請者の開発したナノ微粒子支援レーザ堆積法(NAPLD)を用いてpn接合を持つZnOナノワイヤを合成し、その光および電気特性を明らかにして、ZnOナノワイヤを用いた紫外発光素子開発の基礎を確立することである。 今年度は,NAPLD装置を作製するとともに,ターゲット部を複数交換可能なターゲット機構部を作製した.また,これらの装置および既存のナノワイヤ作製装置を用いて,主にp型ドーパントとして燐(P)を含むZnOナノワイヤの作製を試みた.得られた主な成果は次のようである. 1)p型ZnOナノワイヤの合成 Pをドーパントとして添加したZnOターゲットを用いて,NAPLD法によりPがドープされたナノワイヤの作製に成功した.作製温度,雰囲気ガス圧力などをさまざまに変化して,ナノワイヤの作製条件を最適化した.また,Pのドープ量を変化してZnOナノワイヤを作製し,EDXによりナノワイヤ中のPのドープ量を評価したところ,ターゲットに含まれるPの20%〜30%がナノワイヤ中に取り込まれることが分かった. 2)ZnOナノウォール作製 上記1)の最適化の過程で,ある条件の下でナノウォール状のZnOが合成できることを始めて見出した.このZnOナノウォールの電界電子放出を調べたところ,従来報告されている値の最高レベルに匹敵する放出特性を示し,電子源として有望であることが分かった.本研究ではじめて見出された成果であり,当初計画には無かったが次年度以降課題として追加予定である. 3)ヘテロpn接合の作製 作製した非ドープZnOナノワイヤを用いてp型GaNとのヘテロp-n接合の実現に成功し,整流特性とともに,電流注入によるZnOからの紫外発光を確認した.
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