2010 Fiscal Year Annual Research Report
高圧下での光重合プロセスによる超機能性フラーレンの創製
Project/Area Number |
20360145
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山本 寛 日本大学, 理工学部, 教授 (90130632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 展幸 日本大学, 理工学部, 講師 (20328686)
高橋 博樹 日本大学, 文理学部, 教授 (80188044)
早川 建 日本大学, 理工学部, 教授 (00130584)
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Keywords | C_<60> / カーボンナノチューブ / 超高圧 / 自由電子レーザ / 液液界面析出体 / C_<60>ポリマー / 単層CNT / カイラリティ制御 |
Research Abstract |
本研究の目的は、C_<60>あるいはカーボンナノチューブ(CNT)等のフラーレンに対して超高圧印加、高エネルギー極短パルスレーザ(自由電子レーザ:FEL)照射を行うことにより、ダイヤモンド的結合による3次元フラーレンポリマーを合成し、その驚異的特性と応用の可能性を実験的に明らかにするところにある。 具体的には次の3つのテーマを中心にして研究は遂行され、それぞれの以下のような成果をえた。 1)反応促進プロセスの開発を目指し、前年度に引き続き、真空チャンバー内に設置されたアンビルを用い、フラーレン結晶体、特に液液界面析出体ならびにそのヨウ素添加C_<60>について、圧力・光照射実験を行った。このとき、FEL照射実験条件を最適化し、数GPaの圧力下での加圧実験を主として遂行した結果、単相に近いC_<60>ポリマー体の合成に成功した。 2)フラーレン膜の成長に関しては、半導体単層CNT膜の化学気相成長時に共鳴吸収波長のFEL照射を行うことによって、特定のカイラリティを持つ単層CNTのカイラリティ制御が可能であることを実験的に明らかにできた。特に、本年度はその他の波長のFEL照射ではその効果が無いことも実験的に示すことができ、申請者らの提案するプロセスが単層CNTの新機能デバイス開発へ応用できることを明確にした。 3)バルクポリマーの超機能性物性の評価に関しては、機械的強度あるいは電気伝導性の評価を行うことを試みたが、未だ明確な超機能性の実証には至らなかった。 総括として、フラーレンに対する超高圧印加、FEL照射プロセスがポリマー化あるいは特定の性質を示す構造体の構築に有効であることを実験的に明らかにすることができ、成功裏に当初の目的を達成した。
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Research Products
(74 results)