2008 Fiscal Year Annual Research Report
多媒体量子ナノ集積デバイスの反応拡散ダイナミクスを利用した情報処理システム
Project/Area Number |
20360149
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
雨宮 好仁 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 教授 (80250489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葛西 誠也 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (30312383)
浅井 哲也 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (00312380)
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Keywords | 単電子 / フォトン / 磁束量子 / 反応拡散系 / ネットワーク / ダイナミクス |
Research Abstract |
本研究では生命現象の背景にあるメカニズムと量子ナノ集積デバイスを組み合わせた新しい集積回路の構成方針を開拓する。そのために必要なデバイス要素は、多種類の量子(電子・フォトン・磁束量子など)を相互に作用させて複雑な反応拡散系を形成するための量子ナノ集積体である。このような多媒体量子ナノ集積体として、単電子振動子による非線形振動ネットワークを主体におき、その振動ダイナミクスをフォトンや磁束量子で制御するという形のシステムを考えた。 第一段階として、実際の量子ナノ構造プロセスに適合する形の単電子振動子ネットワークを設計した。量子ドットと基板による単電子トンネル接合をネットワーク状にキャパシタ結合すると電子トンネルによる非線形振動を生じ、化学反応を模擬する非線形システムとなる。その動作をシミュレーションで確認するとともに、振動の非線ダイナミクスを制御するためのパラメータ設定法を開発した。次に、この単電子振動子ネットワークを外部から入射するフォトンと磁束量子で制御することの可能性を調べるため、電子以外にフォトンと磁束量子の効果を扱うことができるようにシミュレータを改良した。それによる解析の結果、単電子振動子ネットワークの動作をフォトンや磁束量子で励起できることを確認した。以上により多媒体量子ナノ集積体としての基本動作が可能なことを示した。
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Research Products
(4 results)