2010 Fiscal Year Annual Research Report
高温超伝導体の磁束量子ダイナミクスとテラヘルツ波放射デバイス応用
Project/Area Number |
20360151
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
中島 健介 山形大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (70198084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 華兵 独立行政法人物質・材料研究機構, 研究員 (70421427)
渡辺 孝夫 弘前大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40431431)
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Keywords | 高温超伝導体 / テラヘルツ / 磁束量子 / ジョセフソン効果 / ナノデバイス |
Research Abstract |
Bi-2212に代表される異方性の強い高温超伝導体のc軸方向に積層した超伝導(Cu-O)層/絶縁(Bi-Sr-O)層構造をジョセフソン接合として利用する固有ジョセフソン接合は,原子スケールで均一に積層したトンネル接合が得られることや,高温超伝導体の大きなエネルギーギャップを活用できることから,テラヘルツ波発振器への応用が期待できる。平成22年度は,21年度までの研究で明らかにした固有ジョセフソン接合のボルテクスダイナミクスと高周波特性(中島),固有ジョセフソン接合のテラヘルツプラズマ励起(王),Bi-2212のキャリア濃度と固有ジョセフソン接合トンネル特性(渡辺)の成果を踏まえ,キャリア濃度を最適に制御したアンテナ集積型および接合共鳴型固有ジョセフソン接合におけるボルテクスダイナミクスの解明とテラヘルツ放射の実現に取り組み,次の成果を得た。 固有ジョセフソン接合に磁場を印加したとき接合に導入される磁束量子が接合の電磁場と強く相互作用し,磁束量子フローによって接合をキャビティとするテラヘルツジョセフソンプラズマ共鳴を励起できることを明らかにした。これは筑波大学の門脇らと研究分担者の王らが電流注入した固有ジョセフソン接合において観測したテラヘルツ波放射を引き起こすプラズマ共鳴が磁束フローによっても励起できることを示しており,より強いテラヘルツ波を放射するための磁束フロー励起型固有ジョセフソン接合テラヘルツ波放射デバイスを実現する上で極めて有用な知見である。
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Research Products
(5 results)