2009 Fiscal Year Annual Research Report
高機能磁気デバイスのための高速・高感度光検出システムの開発
Project/Area Number |
20360159
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村上 博成 Osaka University, レーザーエネルギー学研究センター, 准教授 (30219901)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川山 巌 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 助教 (10332264)
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Keywords | 磁気光学効果 / 磁束量子 / 磁気デバイス / 超伝導磁束量子デバイス / レーザー / ガーネット / ガルバノメータ / 高温超伝導体 |
Research Abstract |
本年度の研究実績を以下に示す。 1. 走査型レーザー磁気光学顕微鏡システムの高感度化・高分解能化 ・前年度の高感度化・高分解能化のためのシステム改良に加えて、測定上問題となっている冷凍機の振動の抑制を行うためのシステム改良を行った。この改良により、温度変化時(温度5K→100K)の試料位置のドリフト量が約200μmから数μmまで改善されるとともに、極低温における一定温度での測定においても、試料ホルダーの振動によるノイズの影響を約10分の1まで抑えることに成功した。 2. 超伝導デバイス中の磁気シグナルの光検出 ・前年度に超伝導SQUIDデバイスのSQUIDループ中に生成される単一磁束量子信号の光検出にはじめて成功したが、ループサイズの異なるSQUIDを使ってその再現性の確認実験を行った。その結果について論文発表および学会発表を行った。今後、上述した振動の影響がないシステムを使って、実際に磁束量子が高速で動作する様子を磁気光学効果を使って検出する予定である。 3. 高温超伝導テープ線材の特性評価 ・高温超伝導テープ線材の実用化には更なる高臨界電流特性を有する線材の開発が不可欠である。開発した走査型レーザー磁気光学顕微鏡システムを使うことにより、非破壊にて高温超伝導テープ線材中の欠陥やクラックなどの高速評価が可能と考えられる。またその結果を線材開発にブィードバックさせることにより、より優れた特性を有する線材の開発が可能となる。この線材開発に関して、本年度は住友電気工業から試料の提供を受け、上記可能性について検討を行った。その結果、欠陥、クラック等の存在により磁場侵入の様子が正常テープ線材と比べて明らかに異なるなどの知見を得ることができ、本システムの評価装置としての有用性を示すことができた。この成果をもとに2010年度から住友電気工業と本格的に共同実験を進めていく予定である。 以上の結果について、計4件の論文(査読付)発表、および9件の国内・国際会議発表を行った。
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