2008 Fiscal Year Annual Research Report
単一磁束量子ディジタル信号処理による超伝導ナノワイア光子検出器高性能化の研究
Project/Area Number |
20360165
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
寺井 弘高 National Institute of Information and Communications Technology, 未来ICT研究センター・ナノICTグループ, 主任研究員 (10359094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 鎮 独立行政法人情報通信研究機構, 未来ICT研究センター・ナノICTグループ, グループリーダー (70359090)
三木 茂人 独立行政法人情報通信研究機構, 未来ICT研究センター・ナノICTグループ, 主任研究員 (30398424)
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Keywords | 超伝導 / 光子検出器 / ナノワイア / 単一磁束量子論理回路 / ディジタル信号処理 |
Research Abstract |
既存の光子検出器よりも低暗計数率、高計数率、高量子効率な光子検出器として,超伝導ナノワイア型単一光子検出器(SSPD)が着目されている。本研究では、このSSPDと単一磁束量子(Single-Flux-Quantum:SFQ)ディジタル信号処理技術の融合により、より高速な応答、光子数識別が可能な光子検出器の実現を目指して研究に取り組んでいる。今年度は、SSPDの出力信号をSFQパルスに変換するためのインターフェース回路の設計、評価を行った。当初想定していた量子干渉素子(SQUID)による信号増幅では取り出せる電流出力に限界があり、通常SFQパルスの発生に用いられるDC/SFQコンバータと呼ばれる回路に磁場利得のある回路を新たに設計した。入力トランスフォーマーの回路パラメータはSQUIDを用いた実測により求め、最も設計値に近いレイアウトを実際の回路に採用した。この回路を繰り返し周波数100kHz(パルス幅は5μs程度)で評価した結果、パルス高15〜40μA程度の微弱信号入力に対してSFQパルスの発生を確認できた。さらに、この回路はパルス幅1.6nsの入力信号に対するテストでも、正常動作を確認することができた。以上の結果から、来年度以降の実装技術の開発により、SSPDからの信号出力によりSFQパルスを発生できる目途がついた。また、SSPDの特性均一性についても評価した結果、サンプル数は12と少ないものの、臨界電流の均一性が±5%以内であることがわかった。今後、この±5%という電流均一性が量子効率のばらつきに及ぼす影響について検討していく必要がある。
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Research Products
(1 results)