2009 Fiscal Year Annual Research Report
単一磁束量子ディジタル信号処理による超伝導ナノワイア光子検出器高性能化の研究
Project/Area Number |
20360165
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
寺井 弘高 National Institute of Information and Communications Technology, 未来ICT研究センター・ナノICTグループ, 主任研究員 (10359094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 鎮 独立行政法人 情報通信研究機構, 未来ICT研究センター・ナノICTグループ, グループリーダー (70359090)
三木 茂人 独立行政法人 情報通信研究機構, 未来ICT研究センター・ナノICTグループ, 主任研究員 (30398424)
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Keywords | 超伝導 / 光子検出器 / ナノワイア / 単一磁束量子論理回路 / ディジタル信号処理 |
Research Abstract |
超伝導ナノワイア型単一光子検出器(SSPD)は、低暗計数率、高計数率、高量子効率という特長を持ち、量子通信等の分野で注目を集めている。本研究では、このSSPDと単一磁束量子(Single-Flux-Quantum : SFQ)ディジタル信号処理技術との融合により、高速応答、光子数識別が可能な光子検出器の実現を目指して研究に取り組んでいる。今年度は、昨年度設計したSSPD/SFQインターフェース回路の回路パラメータの見直しを行い、入力電流感度の向上を目指した。これまでの回路は最小電流感度として15μA程度まで検出可能であったが、DC/SFQコンバータの信号入力部に結合させたトランスフォーマーの入力コイル巻数を増やすことで、約12μAの入力感度が得られた。DC/SFQ回路の十分な動作マージンを確保するためには、トランスフォーマーの二次側インダクタンスを10pH程度にしなければならないという制約があるため、コイルの巻数をさらに増やしてもトランスフォーマーにおける相互インダクタンスを高めることが難しく、この程度の入力感度が限界と考えられる。現状のライン幅(100mm程度)および膜厚(4nm程度)のSSPDであれば、15μA以上の出力電流が得られているため、今回設計したSSPD/SFQインターフェース回路は要求されるスペックをほぼ満足していると言える。別々の冷凍機で動作しているSSPDとSFQ回路を同軸ケーブルで結線し、今回設計した回路の動作試験を行ったが、同軸ケーブルの帯域が1MHzにも満たないため、SSPDの出力によりSFQパルスが発生していることを確認することはできなかった。現在、1GHz以上の信号帯域を有する専用の実験システムを構築中である。
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Research Products
(7 results)