2010 Fiscal Year Annual Research Report
サブテラヘルツ回路ブロック実装による超伝導デジタルRF受信機の開発
Project/Area Number |
20360169
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤巻 朗 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (20183931)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 真澄 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (00203258)
赤池 宏之 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (20273287)
|
Keywords | アナログ/デジタル変換 / 単一磁束量子回路 / 高温超伝導回路 |
Research Abstract |
デバイスブロックとなる高温超伝導回路とA/D変換器(ADC)全体の動作実証を目指した。高温超伝導回路は、ADC内の100GHz以上の高速性が必要な部分にのみ使われ、ヘッドとなる量子干渉素子と周波数を下げるトグルフリップフロップからなる。構成要素となるジョセフソン接合の数は数十個である。これまで歩留まりが悪く、回路動作の実証まで至らなかったが、層間絶縁層を電極となる高温超伝導体YBa_2Cu_3Oxと同じ結晶構造を持つGaドープPrBa_2Cu_3Oxに変えることで120GHzでの安定動作を得るにいたった。一方、その信号を受け、ADCとしての機能を実現するデジタルフィルタについては、Nbによる単一磁束量子(SFQ)回路で動作実証を行なった。無線機としての評価を現有機器で行うには、ADCのアナログ入力を室温エレクトロニクスのトリガと出来るように、イベント駆動機能をSFQ回路で実現する必要がある。これまで、フロントエンド部もNbによるSFQ回路で構成した回路で、帯域幅5MHz、ビット数7のイベント駆動ADCの実証に成功した。帯域幅ならびにビット数の向上には、ここで用いた1次のデジタルフィルタを2次にする必要がある。機能だけではあるが、これまでに2次の動作実証に成功している。高温超伝導回路とNb回路の実装は、フリップチップボンディングならびにフルイディックセルフアセンブリ(FSA)での性能評価を検討した。基板の厚みの制約から、高温超伝導回路でのFSAについては当面断念せざるを得なかったため、ブリップチップボンディングを試みた。現時点では、100GHzを分周した信号をNb回路で受けることは成功していない。反射などが原因と考えられ、電磁界シミュレータで解析を進めている。なお、本研究を通して高温超伝導ナノブリッジによるダイオード効果を発見した。新たなデバイス応用の芽となることが期待できる。
|
Research Products
(6 results)