2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20360171
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松本 正行 Osaka University, 大学院・工学研究科, 准教授 (10181786)
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Keywords | フォトニックネットワーク / 先端的通信 / 超高速情報処理 / 光スイッチ / 非線形光学 |
Research Abstract |
ファイバ中の四光波混合の飽和を利用した光信号再生に関して、次の研究を行った。 1.単一波長動作の基礎特性の把握とパラメタ最適化 高非線形ファイバ中の四光波混合成分間の連立微分方程式を線形近似のもとで解くことによって、四光波混合の飽和に基づく振幅リミタの雑音特性を解析した。飽和信号電力(リミタの効果を得るために必要な入力信号光電力)を下げるためには、ポンプ光電力を大きくし、パラメトリック増幅率を上げる必要があるが、その場合、ポンプ光の振幅雑音がファイバ中の相互位相変調効果を介して大きな出力光位相揺らぎを生成し、出力光の品質が劣化することがわかった。高性能の位相保持振幅リミタを実現するためには、ポンプ光の雑音を抑えつづポンプ光電力を上げる必要があることを明らかにした。 2.2および3波長信号の同時振幅雑音除去特性の測定 高非線形ファイバ中で四光波混合が飽和を起こす際のポンプデプレションの時間幅は入力信号パルス幅程度であるので、四光波混合の利得帯域幅が十分に広ければ、多波長の信号を時間インターリーブすることにより、波長間のクロストークを起こさせることなく、多波長信号を一括して振幅リミティングできる。本実験では、新たに位相安定な短パルス光源を作成したのち、2波長のDPSK信号を生成し、それを適切に時問インターリーブした後に高非線形ファイバに入力し、2波長同時振幅雑音除去を行った。振幅雑音を除去した信号を40kmの伝送路を通過させ、非線形位相雑音による信号品質劣化が2波長ともに抑制されることを明らかにした。さらに、波長数を3に増やして雑音除去の実験を行い、3波長ともに振幅を安定化できることを示した。現実の状況では、適応的な時間インターリービングが必要になるので、時間重なりの程度をモニタするための方策を検討した。
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Research Products
(2 results)