2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20360171
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松本 正行 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (10181786)
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Keywords | フォトニックネットワーク / 先端的通信 / 超高速情報処理 / 光スイッチ / 非線形光学 |
Research Abstract |
本課題では、波長や変調形式が異なる複数チャネルの高速光信号の再生を一つの光非線形媒体を用いて一括して行う手法を研究した。信号の再生、すなわち雑音による揺らぎの抑制、を得るメカニズムとして、高非線形光ファイバ中の四光波混合の飽和現象に着目し、その有効性を示す実験および理論研究を行った。本年度は、1.直交2ポンプ構成による偏波無依存化の検討、および2.00K信号とDPSK信号の時間インターリーブ同時振幅リミティングの実験、を行った。 1. では、2つのポンプ光を用いた四光波混合の飽和において、ポンプ光の偏波状態を直交させた場合の飽和特性の信号偏波依存性を理論的に明らかにした。ファイバの分散、非線形効果、および偏波効果を考慮したマナコフ方程式に基づく解析により、信号リミティング特性の偏波依存性を調べた。その結果、ポンプデプレションを伴う飽和領域においては非飽和時の偏波無依存性が失われリミタ出力信号電力が偏波によって変化するが、出力信号の揺らぎが最小になる入力信号電力の大きさは偏波によって大きく変化することはなく、偏波変動の速さが遅い場合は、本振幅リミタは入力信号の偏波変動に対する耐性をもつことを明らかにした。 2. では、毎秒10ギガビットの00K信号とDPSK信号を時間インターリーブ多重化した毎秒20ギガビットの信号を生成し、50kmの分散補償伝送路を伝送させた後、同時振幅リミティングを行い振幅揺らぎを除去し、さらに40kmの伝送路を伝送させ、各信号のビット誤り率を測定する実験を行った。時間インターリーブが正しく行えていれば2つの信号は相互作用することなく振幅雑音が除去され、00KおよびDPSK信号ともに振幅揺らぎによるパワーペナルティが減少した。非線形位相雑音が問題になるDPSK信号において、大きな振幅リミティングの効果が得られた。
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Research Products
(8 results)