2009 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキタス情報通信ネットワーク構築のための電波伝搬推定に関する研究
Project/Area Number |
20360176
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
白井 宏 Chuo University, 理工学部, 教授 (00196594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 光則 中央大学, 理工学部, 教授 (90238890)
佐藤 亮一 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (00293184)
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Keywords | 電磁波伝搬 / SBR法 / 可視化 / 高周波漸近解析 |
Research Abstract |
建築物を含む都市空間における電磁波伝搬解析において重要となる、建物の反射減衰量、透過減衰量を求めるために、建築材料の電気定数を予測する手法として、直方体サンプル建築材料の表面における電磁波の反射特性から、その材料の電気定数を推定する方法を考案した。この手法は、レーダ散乱断面積の測定に用いる自由空間法の校正方法を応用して、有限の大きさを持っ散乱体の効果を補正し、平面電磁波が平面に入射した場合の反射係数を推定し、その結果から散乱体の電気定数を導出する方法である。 昨年度提案した散乱体の厚みを考慮して周波数領域で推定する方法の妥当性を検討しながら、今年度はパルス波の応答から時間領域で散乱体表面からの反射波を抽出し、その値から電気定数を推定する新しい方法についても提案した。 この2種類の方法について、従来から使われている同軸導波管プローブを用いた測定と同程度の精度で推定できそうであることを示し、研究発表した。 また建物の壁や床の厚みを考慮した伝搬解析について、複雑な構造をもつ建築物において、多重散乱の効果がかなり重要となると予測されている。そこでこうした多重散乱の効果を簡略化して扱うためのCollective Ray Treatmentについて検討し、高速でありながら精度の高い方法であることを示し、論文発表を行った。 現在、多くの建築を含む大規模な都市環境における電磁波伝搬の様子や建物外から建物内へ透過してくる電磁波の伝搬推定についての高速計算法を検討しており、実測値や統計的な取り扱いについて研究を進めているところである。
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Research Products
(16 results)