2010 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキタス情報通信ネットワーク構築のための電波伝搬推定に関する研究
Project/Area Number |
20360176
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
白井 宏 中央大学, 理工学部, 教授 (00196594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 光則 中央大学, 理工学部, 教授 (90238890)
佐藤 亮一 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (00293184)
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Keywords | 雷磁波伝搬 / SBR法 / 可視化 / 高周波漸近解析 |
Research Abstract |
昨年度までは、建築材料の電気定数の測定法の検討に関して、直方体のサンプルに対する表面反射特性から、その材料の定数を推定する方法を用いていた。しかしながら、材料を整形加工することが大変な場合もあり、もう少し一般的な形状に対しても測定が可能であるか検討した。比較的損失の大きな媒質に対しては、電磁波照射に対して表面反射の寄与に対して内部に透過して深部から再度して反射して戻ってくる寄与が小さいので、直方体に整形していなくても表面反射係数から精度が高い推定が可能であることがわかった。同軸プローブ法による測定の場合も、波長に対して相対的にサンプル資料の大きさが小さくなる低い周波数帯においては、測定の前に行う校正は、通常短絡、開放、蒸留水の3種類を用いて行うが、開放の場合に周辺の影響が大きいので、開放端に近くに吸収体を置くなどの工夫や別の校正を用いることが必要であることが示された。 高周波電磁波電波散乱の解析については、人体による影響を考慮した解析をするために、人体をMRIの画像データから起こした人体数値ファントムを用いて伝搬解析を行い、同定する人体各種器官のサイズが解析結果に及ぼす影響について検討した。また電磁波が入射することによって、人体内に励振される電界によって局所的に温度上昇が起きることが知られている。この温度上昇は実際の人体の場合には血流によって拡散する。そこで熱の拡散方程式を組み入れた温度上昇のシミュレーションを皮膚、脂肪、筋肉の3層で近似したモデルにおいて行い、拡散を考慮しない場合と比べてどの程度変化があるかを求めた。 電磁波伝搬状況を多面型バーチャルリアリティ設備で効率的に表示するためのレイトレーシング法の改良を行い、当該設備に実装・検証した。本成果は本研究の成果の可視化に貢献すると共に、GPUを用いた高速レイトレーシングを電波伝搬計算に用いる可能性を見出した。
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