2010 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワーク外部性を考慮した生物指向型生産システムの拡張
Project/Area Number |
20360177
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上田 完次 東京大学, 人工物工学研究センター, 名誉教授 (50031133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 毅 独立行政法人産業技術総合研究所, サービス工学研究センター, 研究員 (70396802)
西野 成昭 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (90401299)
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Keywords | システム工学 / 設計工学 / ネットワーク |
Research Abstract |
本研究課題の目的は,研究代表者らがこれまで提案・構築してきた生物指向型生産システムにネットワーク外部性を導入し,現代のネットワーク社会における不完全情報環境下での製品やサービスの有効な設計のための方法論を提案することである.そのために,1)製造業とサービス業の分析による生産システムモデルの拡張とネットワーク外部性の定式化,2)消費者エージェントモデル構築のためのライフスタイル調査,3)実験経済学的手法を用いた市場メカニズムの解明,4)マルチエージェントシミュレーションを用いた製品普及メカニズムの分析,5)ネットワーク外部性を導入した生物指向型生産システムのモデル構築,6)ネットワーク外部性を考慮した製造業とサービス産業の融合による新たな製品開発戦略の提案,以上の6つの課題を設定し研究を進めたきた.本年度は5)と6)を中心に推進した. 課題5)では,生産システム内の製造プロセスと消費者が直接に相互作用するインタラクティブ生産のモデルを構築した.スループット最大化を指標とする従来型と比べて,生産者の利益が増加することが示された.さらに,受注型生産を想定したシミュレーションと比べても優れていることが分かった.これらの結果は,構築したインタラクティブ生産システムの枠組みが消費者の嗜好を生産段階から陽に組み込みこむことで,共創的生産プロセスとして機能していることに拠る.また,社会的余剰についても高い値を示しており,社会的価値の増大を示唆する結果を得ている. 研究期間を通した成果を取りまとめる位置づけとして課題6)を推進し,ネットワーク外部性を考慮した製品開発戦略をまとめている.特に,製造業の開発戦略別に5つのケースに分類し,ネットワーク外部性の効果の根源であるプラットフォームをどのように製造業が支配的に構築・展開するかが重要であることを示した. なお,これらの成果は学会,論文誌等での発表を予定している.
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Research Products
(3 results)