2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20360180
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岡 和彦 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 准教授 (00194324)
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Keywords | 分光偏光計 / 超小型偏光計 / 高精度偏光計 / ミューラー行列 / 撮像偏光計 / 国際情報交換 / アメリカ |
Research Abstract |
先に筆者らが発明したチャネルド分光偏光計測法は、高速、小型・軽量、高安定、機械的ないし電気的な偏光制御素子が不要など、従来の他の偏光計測法には無い様々な特長を有している。本研究では、この計測法の応用分野の拡大を念頭に置き、そのために基本性能の向上と機能の拡張を目指している。 平成21年度の第1の成果は、「系統誤差発生原因の発見とその除去」である。本研究の開始時点においてチャネルド分光偏光計測法には、方位角・楕円率角にして最大0.5deg近くの系統誤差があり、その原因が不明であった。この系統誤差がチャネルド分光偏光測定の精度を制約する主要因となっていたため、我々はこの誤差を実験と理論の両面から詳細に調べた。そして本年度に、この原因が較正に用いる偏光子の透過率変動であることを突き止めた。偏光子内部で透過光線が若干曲がっているため、偏光子方位を変えると透過率が微妙に変動する。これが較正のずれの原因となっていたのである。我々はこの影響を除去するため、偏光子の透過率に影響されないように較正アルゴリズムを改良した。結果として、直線偏光ならば誤差を0.1deg程度に低減することに成功した。 第2の成果は、チャネルド分光偏光計測原理のミューラー行列測定への拡張である。基本原理は昨年度に確認していたが、本年度は上記第1の成果をこの計測に適用した結果、より感度の高い測定が可能となった。たとえば、シート偏光子とグラントムソン偏光子の消光性能の違いまで検出できるようになった。 第3の成果は、「チャネルド偏光計測法の2次元面計測への拡張」である。波長走査半導体レーザとチャネルド分光偏光計測法を組み合わせ、偏光や複屈折の2次元分布計測を実現した。また、チャネルド偏光計測法を空間座標領域に拡張したサバール板を用いる撮像偏光計についても検討を行った。
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Research Products
(5 results)