2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20360185
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
林 健司 Kyushu University, システム情報科学研究院, 准教授 (50202263)
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Keywords | 匂いセンサ / アレイナノデバイス / 分子認識 / 単分子膜 / センサアレイ |
Research Abstract |
微小電気化学セルアレイを構築するための基礎技術として,電気化学的にセンサ電極表面の特定領域をピックアップする対極を用いた表面電気化学インピーダンス検出システムの構築を行った.インピーダンススペクトルを測定するためにスキャナを用いて電極表面を二電極式測定系による測定するセンサセルを構築し,電極表面上の微小領域の検知を試みた.また,電極表面に異なる官能基末端を持つチオール化合物による自己組織化単分子膜を混合したmixed SAM_s,およびペプチド単分子膜を形成し,その匂い物質識別能力,特に匂い分子サイズと官能基による識別ができるかを調べた. その結果,電極表面の電気化学インピーダンススペクトルを単純なピックアップ電極により測定できること,薄い水溶液層を介して匂い物質の電極表面への吸着を検出できることを確認した.また,単一の金表面上の異なる位置に異なる表面修飾を行い,その特徴をピックアップ電極により局所的に測定ができることを確認した.匂い受容表面に関しては,表面のナノスペースの構築により匂い物質のサイズに応じた吸着特異性を得られること,疎水領域に埋め込まれた官能基により匂い物質の官能基を検知できることを確認した.また,電極表面におけるペプチド単分子膜の形成と芳香族系匂い匂い物質への応答特異性が得られることを確認した. 以上の結果により,匂い物質の分子情報を反映した匂いコードを検知する匂いコードセンサを実現するために必要な大規模な微小電気化学セルアレイを構築するための基盤技術が確立できた.
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