2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20360185
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
林 健司 Kyushu University, システム情報科学研究院, 教授 (50202263)
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Keywords | 匂いセンサ / アレイナノデバイス / 分子認識 / 単分子膜 / センサアレイ |
Research Abstract |
微小電気化学セルアレイを構築するための基礎技術として,電気化学的にセンサ電極表面の特定領域をピックアップする対極を用いた表面電気化学インピーダンス検出システム,および有機薄膜のインピーダンスの高感度測定を可能とする電極系の構築を行った.また,匂い物質と分子認識部位の候補であるペプチドとの相互作用を蛍光スペクトルにより測定した. その結果,電極表面の電気化学インピーダンススペクトルを測定できること,ペプチドによる匂い分子の選択的な検出が可能であることを確認した.一方で,くし形電極と金ナノ粒子をベースとした有機薄膜のインピーダンス測定によっても有機薄膜と匂い分子との相互作用の検出が可能で,薄膜表面に形成された匂い吸着層であるナノポアによる匂い物質の検出が可能であった.このように匂い受容表面に関して,センサトランスデューサとしての信号変換部の構築が達成され,さらに表面のナノスペースの構築による匂い物質のサイズや官能基といった匂いコードの基本情報に応じた吸着特異性を得られることを確認した.また,分子認識部となるペプチドによる匂い検出では構造による芳香族系匂い匂い物質への応答特異性を調整できることを確認した. 以上の結果により,匂い物質の分子情報を反映した匂いコードを検知する匂いコードセンサを実現するために必要なトランスデューサと分子認識部というセンサの構造要素技術が実現し,センサアレイを構築するための基盤技術が確立できた.
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