2010 Fiscal Year Annual Research Report
初期乳がん検出にもちいるマイクロ波マンモグラフィ技術の確立
Project/Area Number |
20360187
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
竹中 隆 長崎大学, 工学部, 教授 (40117156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 俊幸 長崎大学, 生産科学研究科, 准教授 (50202172)
藤本 孝文 長崎大学, 生産科学研究科, 准教授 (40264204)
森山 敏文 長崎大学, 工学部, 助教 (20452873)
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Keywords | 乳がん検出 / マイクロ波 / 逆散乱 / マンモグラフィ / 計測工学 |
Research Abstract |
現在、乳房用X線診断装置マンモグラフィは乳がん集団検診において最も効果的な方法であるが、受診率が低く様々な問題点を抱えている。本研究では、マイクロ波領域において乳房の正常組織と悪性腫瘍との電気定数(誘電率、導電率)が大きく異なっていることに着目し、受診率を改善し、生存率を高めるために、安全で痛みがなく高い感度と識別能力を持ち、かつ低コストで取り扱いやすい検査方法としてマイクロ波を用いたマンモグラフィ技術を開発する。平成22年度の研究成果は以下の通りである。(1)グリセリン、シリコーン、寒天ゲル、精製水、ポリエチレン粉末等を用いて、胸筋、脂肪組織、乳腺組織、がんを模擬するマイクロ波用乳房ファントムを作成した。その誘電率および導電率を測定して実際の乳房組織の電気定数に近い値を示すことが確認された。(2)内部に整合液を入れる計測ケースの側面及び底面に広帯域特性を有するモノポールパッチアンテナを合計24個配置したアレイアンテナを電磁界シミュレータCST Studio Suite 2006を用いて粒子群最適化法により設計した。設計パラメータ値をもとに試作した乳がん検出用アレイアンテナのリターンロス特性及び透過特性の測定値はシミュレーションによる結果に近いものを得た。(3)近年,乳腺組織の誘電率、導電率がこれまでに考えられていた値より高いことが分かり,乳腺組織と脂肪組織とのコントラストが高く,がんとのコントラストが低い乳房の内部を映像化する必要あるため散乱界データに含まれる周波数成分を考慮した像再構成アルゴリズム及び遺伝的アルゴリズムを併用した像再構成アルゴリズムを開発した。
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Research Products
(3 results)