2010 Fiscal Year Annual Research Report
体内腫瘍の硬さを画像化するHaptic型超音波プローブ及び計測装置の開発
Project/Area Number |
20360188
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
尾股 定夫 日本大学, 工学部, 教授 (90060186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 嘉延 日本大学, 工学部, 准教授 (80339267)
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Keywords | 触覚 / Haptic / 触診 / 超音波 / 圧電セラミック素子 / バーチャル・リアリティー / 外科手術ロボット / ロボットハンド |
Research Abstract |
近年、Haptic技術に関する研究は次世代のバーチャルシステムや遠隔医療に欠かせない技術として世界各国で注目され、積極的な研究が行われている。しかし、現在行われている研究では、非常に簡単なレベルから高度なシステムを利用したHaptic研究が行われているが、ヒトの手のような触覚・触診特性に対応した触覚センサデバイスやセンサシステムは未だ実現されていない。特に、ヒトの触覚特性には接触覚や圧覚、すべり覚、温冷覚、痛覚など多機能な特性を包含しているので、これらの特性を同時に満足するようなHapticセンサを実現することは容易でない。一部には、触覚センサとして市販されているデバイスもあるが、ヒトの触覚特性には程遠い。 そこで本研究では先に開発した位相シフト法の原理を導入して、ヒトの手のようなHaptic特性を持つ触覚・触診センサデバイス及び画像化システムを開発して医療機器やバーチャルシステムへの適用について検討してきた。 本研究のHapticシステムは、圧電セラミック素子を触覚センサのデバイスに利用して、出力信号を増幅して位相補正回路を介して圧電セラミック素子の入力端子に強制帰還すると、発振回路系を構成する。このときセンサデバイスが対象物体に接触すると音響インピーダンスに比例して発振周波数がシフトするので、このときの周波数変化量を求めると対象物体の物理的特性を求めることができる。 位相シフト法の原理を利用したHapticシステムの最大の特徴は、接触覚や圧覚、すべり覚のみならず対象物体の硬さや軟らかさなどの違いを判別できる。つまり温冷覚や痛覚以外の触覚特性をセンシングできる世界初のHapticセンサデバイスの開発に成功した。この基本技術を利用して8x8チャンネル(64素子)の触診プローブを試作開発し、乳がんのシコリを触診のように硬さ・軟らかさとして画像化することに世界で初めて成功した。今後の課題は、集積度の向上とコスト削減で、更なる改良を実施する。
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Research Products
(3 results)