2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20360194
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
渡邊 法美 高知工科大学, 経営学部, 教授 (30240500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 一雅 高知工科大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (80194546)
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Keywords | 公共工事 / 技術調達 / リスクマネジメント / 地質リスク / くじ引き入札 / インドネシア公共調達 / 中国建設労働市場 |
Research Abstract |
(1)地方公共工事実態調査、(2)公共工事地質リスクマネジメントの方向性の検討、(3)諸外国の公共工事実態調査と改善案の提案を行った。(1)では、数値シミュレーションモデルを構築して、「くじ引き入札」の弊害を指摘し、改善案の提案を行った。(2)では、地質リスクマネジメントの普及を目指して、入門書を発刊するともに、事例調査を奨励して、リスク計量化手法開発・プロセスマネジメントシステム開発・発注者の側に立つ技術顧問導入を継続して進めた。(3)では、インドネシアの公共調達方式改善と中国の建設労働現場における多数の農民工(季節労働者)の労働条件改善に関する調査研究を行った。 a)インドネシアについては、i)政府技術系高官や大学研究者との意見交換でも、工事品質確保のためには、工事並びにコンサルタント選定時に、応札者の実績など価格以外の要素も問う「総合評価方式」の導入が必要であると認識されている、ii)価格以外の要素を高く評価することは、贈収賄に関与しているのではないかとの疑いの目で見られるため、実際の入札評価の現場では難しい、iii)状況打開のためには、会計検査・財務など「非技術系部署」への総合評価方式の啓発が必要、iv)テクリス、コリンズなど日本の技術者・企業の実績データベースなどの公共調達周辺制度の戦略的整備が有益、b)中国の建設労働現場における多数の農民工(季節労働者)の労働条件改善については、i)大学研究者や中国政府でもその必要性は認識、(2)重層下請の労務構造は景気調整弁、労務費ピンはね等弊害が多い仕組みと認識され、中国でも推奨されていない。ただしこの仕組みには、腕の良い技能者は独立できる夢・希望を持ち、「右肩上り」の時代には、生産性並びに技術・技能の改善できる長所も存在、(3)日本の大手ゼネコンが採用してきた協力会による労務管理方式は、協力と競走を融合させた方式であり、中国でも導入を検討する価値が大いにある、等の知見を得た。
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Research Products
(9 results)