2010 Fiscal Year Annual Research Report
鋼トラス橋の冗長性・崩壊・振動解析と健全度モニタリング
Project/Area Number |
20360198
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
山口 宏樹 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (50134474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥井 義昭 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (40214051)
松本 泰尚 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (90322023)
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Keywords | 構造工学・地震工学 / 維持管理工学 / 鋼トラス橋 / リダンダンシー / 構造健全度 / 実験モード解析 / 理論モード解析 / 打撃試験 |
Research Abstract |
鋼トラス橋について,斜材などが局所破壊した際の橋全体の構造冗長性や力学挙動,および橋全体・部材局所モードを含めた振動特性を解明すると同時に,構造健全度を供用時微動モニタリングにより評価する方法を確立することを目的とした.平成22年度の研究概要は以下のとおりである. 1.解析的研究により,弦材,斜材,ガセットプレートが局所破断した際の鋼トラス橋全体の冗長性,およびRC床版の損傷を考慮した鋼トラス橋全体の崩壊挙動と耐荷力について知見を整理した. 2.鋼トラス橋を構造部材の集合体として捉え,その振動特性を全体・局所・連成の3モードに分類して解明した上で,モニタリングの計測点数を必要最小限に限定し,局所モード連成を伴う橋全体モードの振動特性変化から部材レベルの局所的損傷を捉えた.また,最上川橋を対象として車両走行に関する刺激係数解析を行い,供用時の交通振動によって鋼トラス橋に生ずる振動特性を解明した. 3.実験モード解析において減衰の同定と考察の精緻化を図った上で,局部的な疲労亀裂が連成モードの減衰に顕著な変化をもたらし得ることを実橋レベルで検証して,鋼トラス橋の構造健全度評価での有用性を示した. 4.理論モード解析と実験モード解析とを系統立てて併用する,モニタリングデータをいかに判断するかの方法論は,多数の構造部材を有する橋梁の構造健全度評価法として有用であることを示した. 5.最上川橋の斜材に対して行ったインパルスハンマーによる打撃試験データを詳細に分析した結果,高次局所モード(斜材の局所モード)の固有振動数を群として捉え,その固有振動数群の変化の平均値を指標として用いることによって斜材損傷が定量的に同定できることが明らかとなった.
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Research Products
(5 results)