2010 Fiscal Year Annual Research Report
塩害とASRの複合劣化構造物に対する電気化学的リハビリテーション手法に関する研究
Project/Area Number |
20360204
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
上田 隆雄 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (20284309)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 親典 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (10180829)
渡邉 健 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (50332812)
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Keywords | 塩害 / ASR / コンクリート / HPFRCC / 陽極システム / 電気化学的手法 / 防食効果 / 膨張抑制効果 |
Research Abstract |
本研究では,塩害とASRの複合劣化構造物を想定し,効果的な電気化学的リハビリテーション手法を開発することを目的として実験的検討を行うこととする。平成22年度は,前年度に通電処理を実施した後に,促進ASR環境に保管した供試体について,長期的な防食効果とASR膨張抑制効果を検討した。さらに,リチウム塩種類の違いがASR抑制メカニズムに与える影響についてモルタル供試体を用いた基礎実験を行った。平成22年度に得られた結果を以下に要約する。 (1)通電終了後約1年経過した供試体において,1A/m^2で通電した場合には,鉄筋防食効果が持続する傾向を示したが,50mA/m^2の電流密度で通電を行った供試体については,鉄筋の自然電位は腐食領域の値となった。 (2)LiNO_3を添加したHPFRCC陽極層を接着した供試体は長期的なASR膨張抑制効果が確認された。これに対して,LiOHを添加したHPFRCC陽極層を接着した場合には,特に電流密度が1A/m^2の場合に,膨張率が大きくなる傾向を示した。 (3)反応性骨材を用いたモルタル供試体にLiOHを添加した場合,細孔溶液中のOH^-濃度が顕著に増加した。これに対して,LiNO_2またはLiNO_3を添加した供試体は,無添加の場合よりもOH^-濃度が低下し,フライアッシュ混和供試体と同程度であった。 (4)LiNO_2またはLiNO_3を添加したモルタル供試体の細孔溶液中では,Na^+やLi^+濃度が高く,ASRの反応そのものの抑制効果が認められた。これに対して、LiOHを添加した場合には,Na^+やLi^+濃度が無添加の場合よりも低下しており,反応性生物によるイオン固定化の影響が大きいことが分かった。
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Research Products
(3 results)