Research Abstract |
平成22年度は,コンクリート溶脱模擬水溶液を用いた高アルカリ変質ベントナイトの作製と膨潤特性に関する実験的調査を行った.人工バリアにおけるベントナイト系緩衝材と長期間のコンクリート溶脱水との共存を模擬するため,高アルカリ溶液中に試料を投入し,浸漬実験を実施することにより,変質ベントナイトを作製した.さらに,上記試料を用いて膨潤特性実験を行うことにより,高アルカリ変質ベントナイトの膨潤特性を把握し,ベントナイトとコンクリート系材料との長期共存環境による,膨潤特性への影響を明らかにした.得られた知見および実験技術は,次の通りである.高アルカリ変質ベントナイトの作製実験では,高アルカリ溶液を用いた浸漬実験により,コンクリート系材料との長期共存環境を模擬した高アルカリ変質ベントナイトの作製に成功した.その際,試料中に含まれるアルカリ余剰成分の洗浄方法を新たに構築した.また,作製した変質ベントナイト試料は,浸漬期間,浸漬温度に依存せずモンモリロナイト含有率は低下していないことが分かった.しかし,Na型ベントナイトであるベントナイトGXはCa型化が進んでいることが分かった.さらに,上記の方法により作製した高アルカリ変質ベントナイトの膨潤圧特性について,実験的検討を行った.その結果,コンクリート系材料との長期共存環境において起こりうる,Na型ベントナイトのCa型に伴う膨潤特性の低下に関して,膨潤圧特性においては影響が小さいことが推察された.
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