2008 Fiscal Year Annual Research Report
下水管渠破損による周辺地盤のゆるみ領域発生メカニズムの解明とその対策工の提案
Project/Area Number |
20360213
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
大谷 順 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (30203821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾原 祐三 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (50135315)
椋木 俊文 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (30423651)
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Keywords | 地盤工学 / X線CT / 下水管渠 / 地盤防災 / 対策工 |
Research Abstract |
本研究の目的は、下水道管渠破損による管渠周辺地盤のゆるみ発生メカニズムを解明すると共に、その対策工の提案を行うことである。ここでは、実際の現象を再現するために土槽底部に下水管模型を設置し、さらに破損形状および規模の違いによるゆるみ発生メカニズムへの影響について比較検討する。特に破損形状、地盤材料、拘束圧の変化および給水圧に着目し、X線CTスキャナを用いてゆるみ・空洞領域の発生メカニズムを3次元的に可視化し、それらを定量的に評価することを試みる。 本年度については以下の3項目について研究を実施した。 1.X線CT専用模型実験装置の開発と実験システムの構築 本研究を実施する以前に作成していた簡易模型実験装置を改め、模型サイズと定量的評価のための間隙水圧測定を考慮した新たなX線CT専用模型実験装置を開発し、これを用いた実験システムの構築を行った。 2.実験結果に基づくゆるみ発生メカニズムの解明 上記(1)で開発した実験装置を用いて、いくつかの管渠破損形状および規模をケースとして実験を行い、破損部より水が給水された場合の地盤のゆるみ状況について、X線CTを用いた現象の解明を行った。その結果、本実験装置がある程度の精度で現象を三次元的に再現可能であることを確認した。 3.ゆるみ領域の定量的評価手法の提案 また、測定した間隙水圧を用いることにより、地盤のゆるみ現象と給水する水の水圧の関係を用いて、現象の定量的評価を試みた。しかし現象ではゆるみ領域と完全に空洞となる領域が現れ、これらを定量的に評価する手法の提案までには至っていない。これについては次年度の実施内容に加える予定である。
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