2009 Fiscal Year Annual Research Report
斜面崩壊開始条件のエネルギー的評価のための基礎的研究
Project/Area Number |
20360214
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
國生 剛治 Chuo University, 理工学部, 教授 (80286955)
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Keywords | 地震防災 / 斜面崩壊距離 / 地震動エネルギー / 2004年中越地震 / 地震被害調査 / 摩擦係数 |
Research Abstract |
斜面崩壊開始閾値が加速度一定の条件では決まらず,むしろ振動エネルギーにより一意的に表されるとの筆者のこれまでの研究知見に基づき,本研究では閾値がなぜ振動エネルギーで決まるかについての基本メカニズムの解明のため,砂層斜面上に置いた剛体ブロックを対象として自由減衰振動による振動台実験を行った.斜面の滑りに使われる振動エネルギーは,まったく同じモデルでブロックを固定した場合との減衰エネルギーの違いから算出した.また振動実験とまったく同じ条件でブロックの重心に慣性力が加わって滑り出す条件を模擬した静的水平引張実験を行った.注目したパラメータとしては斜面勾配を10~20度,砂層厚さを1~7cmとしている. その結果,振動により剛体ブロックが滑り出すまでの累積エネルギーは層厚が厚いほど大きくなるが,これは層厚が厚い場合には砂層内部で履歴減衰により失われるエネルギーも大きくなるためと思われる.一方,滑り出す限界での1サイクル中のエネルギーは層厚に関わらずほぼ一定となり,しかも静的水平引張実験の力~変位関係において,力がピークに達するまでになされる仕事にほぼ一致することが分かった.つまり,滑り開始のエネルギー閾値は滑り面に沿った力~変位関係のピークまでの仕事に対応していることが分かった.以上から,実際の斜面の地震時崩壊についても,想定滑り面に沿った力~変位関係を考え,そのピーク値に達するまでになされる仕事(エネルギー)が地震波動により供給されれば,斜面崩壊が始まるとして地震時の崩壊可能性が評価できることが分かった.
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Research Products
(4 results)