2009 Fiscal Year Annual Research Report
河川感潮域における出水時と平常時の遷移過程に関する研究
Project/Area Number |
20360217
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
石川 忠晴 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (50159696)
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Keywords | 水工水理学 / 環境分析 / 防災 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、以下の4項目について検討した。 塩水楔の運動状況に関する集中観測:昨年度繰越分で6月に実施した観測で塩水楔の後退過程が捉えられたので、今年度は遡上過程を観測することとし、水理条件が整った7月と9月に実施した。7月の観測では、河口堰が出水時全開操作を行っている上げ潮時に、堰の10km上流まで塩水が侵入する状況が捉えられた。また9月観測では、河口部の波浪状況によって遡上形態が異なる様子が捉えられた。また長期間設置している濁度計の出力から、流量と細粒土砂供給の概略の関係を把握できた。 底質分布の通年調査:4月から1月までは、1ヶ月ごとに昨年と同様の方法で、堰下流河道の澪筋において2km間隔で底質を採取した。このうち5回は3断面において横断方向にも6点採取し、水深による粒度の違いを調べた。また2月には、縦断方向には500mないし1kmの間隔で、全ての断面において横断方向に6点でサンプリングを行った。本年度は2,500m^3/s程度の出水が一度あったのみで、底質の大規模な粗粒化は生じなかったが、同出水の後の観測において上中流部でシルト成分の減少が観測された。また詳細調査により対象区間全体におけるシルト成分の空間分布が始めて捉えられた。 流況シミュレーション:平成13年洪水の航空写真を河口堰下流部について解析し、同じ条件で2.5Dモデルで計算し比較した。地形条件は1km間隔の横断測量データを内挿して作成した。その結果の一致度は必ずしも良好でなかった。原因としては、河口堰下流では1kmごとの横断図に現れない局所的地形変化と橋脚による二次流の影響が強いことであった。この点については次年度に改良することとした。3Dモデルについては、今年度予算でPCを購入し、CIP-Soroban法に基づくモデルを並列計算用に設定しテストランを行った。
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Research Products
(2 results)