2010 Fiscal Year Annual Research Report
風波界面・植生キャノピー混成流における組織乱流構造と物質輸送機構の解明
Project/Area Number |
20360218
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
禰津 家久 京都大学, 工学研究科, 教授 (30109029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山上 路生 京都大学, 工学研究科, 准教授 (80362458)
後藤 仁志 京都大学, 工学研究科, 教授 (40243068)
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Keywords | 風波界面 / ラングミュアー循環流 / 組織渦構造 / PIV計測 / ステレオPIV / 植生乱流 / 開水路キャノピー流れ / 開水路乱流 |
Research Abstract |
21世紀は環境問題が最重要課題であり、その中でも地球温暖化問題を解決するには大気中の炭酸ガス含有量の削減が世界的に急務であり、地球上の炭酸ガスの大気循環プロセスを解明し、地球温暖化過程を的確に予測することが求められている。この素過程の重要な一部として水層と空気層の異層界面における炭酸ガス交換や輸送特性を解明することが不可欠であり、多くの工学・理学分野の研究対象となっている。昨年度までは、2次元風波乱流場の主特性を解明し、さらに3次元乱流場すなわちラングミュアー循環流のダイナミクスを2次元PIVを駆使して、解明してきた。しかし、2次元PIVでは3次元立体構造が重要なラングミュアー循環流を解明することはかなり困難であるとの結論に至った。そこで、本年度の最終年では、2台のカメラを用いた3次元ステレオPIVシステムの開発に精力を注ぎ、これを用いてラングミュアー循環流の3次元構造とそれに伴う物質輸送を解明した。 つぎに、植生キャノピー流れに関しては、これまで十分に発達した植生場を研究対象にしたものが大半であるが、平坦河床から植生帯に移行したとき、流れがどのように遷移し、エジェクション・スイープなどの組織渦がどのように発生・発達するのかは不明のままであった。そこで、本年度の最終年では、平坦河床から植生キャノピーに移行したときの乱流特性や組織渦の発生・発達ダイナミクスを連続的なPIVを駆使して解明した。本研究で得られた主要な結論は以下のようであり、国際会議やジャーナルに発表し、高い評価が得られている。 1)ラングミュアー循環流の発生は、主流速の横断方向シェアが重要であり、アスペクト比と風速が支配パラメータであることがわかった。 2)植生キャノピーの発達過程は、流下方向について4つに領域区分され、時間平均統計量と乱流統計量では十分に発達し安定するまでの距離が異なることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)