2010 Fiscal Year Annual Research Report
安全安心かつ快適な都市を支える信頼性の高い都市内物流システムに関する研究
Project/Area Number |
20360229
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷口 栄一 京都大学, 工学研究科, 教授 (70252468)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 忠史 京都大学, 工学研究科, 准教授 (80268317)
安東 直紀 京都大学, 工学研究科, 特定准教授 (20432362)
|
Keywords | 安全・安心 / 都市物流 / 信頼性 / シティロジスティクス / 配車配送計画 |
Research Abstract |
危険物を輸送するトラックについて、通常の輸送コストおよび交通事故による火災等によって周辺住民が受ける損害リスクの両方を考慮した多目的の指定時間付き配車配送計画モデルを開発した。このモデルにおいては、交通事故の発生確率を道路ネットワークの各リンクに与え、そのような交通事故が発生したときの火災等によって周辺住民が受ける損害リスクを、交通事故の規模に応じて推定するモデルを開発した。このモデルにおいては、通常の輸送コストおよびそのような交通事故による損害リスクについて、パレート最適解を求めることができる。このモデルにおいて厳密な最適解を求めることは困難であるので、アントコロニーシステムを用いて近似的な最適解を求めている。このモデルを仮想道路ネットワークおよび大阪市中心部の実際の道路を模した道路ネットワークに適用した結果、輸送コストと損害リスクの両方を考慮した場合のパレート最適な配送ルートが複数得られた。これらの結果は意思決定者が配送ルートを決定する場合に大変有用な情報を与えることが分かった。 また、リンク所要時間変動がある場合のトラックの経路選択について、実際の物流企業の行動をプローブデータにより収集した。そのデータを用いて、道路の新設、交差点改良などによって所要時間信頼性が向上した場合のトラック輸送のコスト信頼性について動的交通シミュレーションを用いて検討した。その結果、所要時間信頼性の向上がトラックの経路選択に大きな影響を与えることが明らかになった。 ロードプライシング、流入規制などの都市内物流施策を実施した場合の物流事業者の行動をモデル化し、仮想道路ネットワークに適用した結果、都市内物流施策を実施した場合にも共同配送などが同時に行われると効率的かつ環境にやさしい物流システムを構築できることが明らかになった。
|
Research Products
(16 results)